悩み多き鯵の味 | 得意楽器はボキャブラリー

悩み多き鯵の味

昨日、物件の内見に行ってきた。
今回はスパイではなく
不動産会社とオーナー立ち合いのもと正式な内見である。

オーナーさんは昔映画俳優でもやっていたような渋いオジサンだったが
話してみると結構ノリノリで話の分かりそうな方でもあった。
レトロでお洒落なビルなので派手なことや油っこいことは好まないらしい。
その点ではこちらも何も異存はない。
計画を少し話すと「そりゃいいねえ」って感じで
いかにももう借りてくれと言わんばかりの態度だった。

とはいえ今回2社競合のコンペらしい。
とりあえず、こちらに今のところ不利な材料もなさそうだが
相手のいることなのでどうなることやら分からない。

まあ、こちらも条件的にいくらかネックになっていることもあるので
できるだけ慎重に制限時間をいっぱいに使って悩むことになるだろう。


相談相手である先輩の家に押し掛ける途中、スーパーの魚屋で鯵を買った。
魚屋の兄ちゃんに三枚おろしにしてもらったのだけど
切り身にする前にまず「ぜいご」を取らなければならない。
包丁の切れ味のせいもあるが、なかなか包丁が入らなかった。
取れるには取れたのだが力が入りすぎてかなり鯵の形が崩れてしまった。

ようやく切り身にしてならべたときにはグダグダになっていて
今の僕の心を表しているかのようだった。

新鮮な鯵ではあったけど
何だか悩み多き味であまり美味しくは感じられなかった。


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