ずっと内縁関係だった奥様との婚姻届けに
亡くなる前日に朦朧としながらサインをした74歳男性。
取り寄せている戸籍謄本が届かず受理されないため、
謄本を求めて遠方の市役所に急いで向かった奥様。
しかしなにやら不備があり謄本は受け取れないさなか、心拍停止。
大至急病院に戻っていただくよう連絡するが
どうしても籍だけでも入れたい、もう少しだけ。。。と。
親族の了承のもと死亡確認は奥様が到着してから。
看護記録はそこで終わっている。
その後の記録は医師の死亡確認のみ。
婚姻届は受理されたのだろうか?
ご遺体の引き取りは?
いつもお一人で受診していたから、外来では誰も奥様を知らない。
一緒に切り盛りしていたお店はどうなってしまうのか。
命が長くはないことは知っていたはずだけど、それでも「もう少しある」と思っていたのか
「やらなくてはいけないこと」が間に合わなかった死に際は、
なんともやりきれない思いが残る。
