私の母が44歳の時は
私は中学生だったかな
高校生になったばかりかな

あの時の母親の誕生日の夜を覚えている

あの夜も仕事
私の母は  夜のママ

深夜遅く マンションの廊下を歩く音が聞こえる

母さんが帰ってきた

兄ちゃんとテレビの画面に
ゲーム機で文字を書いてつけっぱなしにして
寝たフリをする

ハッピーバースデー44歳

ドキドキしながら待つ

ガチャンと鍵の開く音
微かなお酒の匂いと香水の匂いが漂う
小さい頃から覚えている 私の夜の匂い

もちろん涙を流して喜ばれるとは思ってもなく
何かしらリアクションがあったとしたら

怒られる

多分ね

もちろん、怒ってました (笑)
画面のメッセージより つけっぱなしのテレビの方が勝ったのです

いつもそう
寝静まった我が家に帰ってくる母は
機嫌が悪い
お酒が入っているのもあるけど
仕事のあとのストレスだったんだろう

だから私は 舌打ちが嫌いだ
嫌いというか、怖い

母は何かと舌打ちを打っていた

トラウマだ

子供というのは 見ていないようで見ていて
聞こえていないようで、聞いている

そして
心の奥深くに刻み込み
覚えている
忘れない

良いことよりも、悪いことを


父と母が夫婦喧嘩していた何度かの夜も
母が私達兄妹を連れ出して逃げる夜も
母がいない間に、父に連れ戻される夜も
父に祖母の家に置き去りにされた夜も

覚えている

覚えていないのは 
父にも
母にも
抱きしめられたことがない事

44歳になった今
私は母親にはなれなかった

でも、母親になっていたら
母と同じ事をしたのかもしれない
幼い頃のトラウマを延々とループさせるように・・・

写真の私は多分4歳

悪い思い出が怒涛のように押し迫ってくる半年前

何も知らない
1番ピュアだった頃の私の写真
この写真が残っているという事は
自分のピュアがあったという事実を思い出させる為なのだろうか。

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