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In the Strawberry Field

弁明演説で正体がばれたバラク・オバマ[March 21, 2008](抜粋)

http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2008/03/post_665.html

スティール氏は政治活動によって権力を求める黒人にはバーゲンナー(譲渡人)とチャレンジャー(挑戦者)という、ふたつのタイプがいると説明する。譲渡人は常に「私はあなた方が人種差別者ではないことは解っている。その見解が正しいことを証明するために私を支持してください。」といって白人から支持を求め、おうおうにしてその支持を受けることができる。
それに比べて挑戦者は、白人は皆人種差別者だと決めつけ、自分らの人種偏見是正方針を受け入れて、黒人になんらかの優遇政策をとるまでは白人はすべて差別者であるとみなす、といういい方をする。黒人政治活動家のジェシー・ジャクソンやアル・シャープトンなどはこの部類だ。
 なるほど、興味深いです。勉強になります。
このモデルからいくと、無論オバマは譲渡者を装っており、今後もその路線で進みたいはずだが、それは難かしいだろうとスティールは言う。それというのも譲渡者は常に仮面を被っていなければならないが、大統領候補ともなればその仮面が至る所で吟味されることになるからだ。一度我々が譲渡者は人種を無視しているふりをしているだけで、実際には人種に固執している人間だということを学んでしまうと、彼の譲渡者の仮面ははがれる。魔法は解けてしまうのである。彼が「あなた方が人種差別者でないことは分かっている」と言っていたのは嘘で本当は我々を差別者だと忌み嫌っていたことを知った人々は彼を無条件では支持しなくなる。
差別者は忌み嫌われて当然だと思うけど。オバマの「仮面」の下にあるのが、白人一般への憎悪かどうかが問題のはずなんですが、その根拠は?
この間の演説はまさにオバマの仮面を剥がしてしまったのである。あのさわやかな笑顔で自分は人種問題など超越していると語っていたオバマは実は反米で白人嫌悪の演説を繰り返す牧師のいる協会へ20年間も熱心に通っていてなんとも思っていなかった。それどころかその白人嫌いの牧師と個人的にも親しかったことがはっきりしてしまったのだ。
反米で白人嫌悪の演説を繰り返していたのはオバマではありません。そしてこの記事の冒頭でCNN記事を引用してあって、そこには次のようにあります。
オバマ氏はさらに、トリニティー統合キリスト教会でライト牧師の問題発言を聞いたことを認めたうえで、自身が同牧師の政治観の多くに強く反対していると明言。発言が「誤りであるばかりではなく、団結が必要とされている時に分断を助長する」ものだと述べた。
http://www.cnn.co.jp/campaign2008/CNN200803190005.html
 しかし――?
しかしオバマはアメリカ社会の人種差別を変えていくのは白人の責任だと語っている。
白人が人種問題を一種の騒動としてのみ捉えることによって生じる分裂や衝突を防ぐためには、単にオバマに投票する以上のことをしなければなりません。白人たちはアフリカ系アメリカ社会に存在する苦しみは、彼等の頭の中だけに存在するのではなく、人種差別の後遺症、過去よりあからさまではないとはいえ現在もある差別が事実であることを認め取り組んでいく必要があるのです。単に口でいうだけでなく学校や社会に投資することや、人権擁護の法律を行使するなど...の行動で示すことによって先の世代には不可能だった機会へのはしごを提供しなければなりません。
つまりアメリカの人種問題は白人のせいだから白人は自分に投票することによってアメリカ社会をかえていく必要があると説いているわけだ。これは明かに挑戦者の口調である。
いったい、これのどこが白人一般への挑戦なんでしょうか。協力を求めているようにしか読めません。そもそもが、現に差別のある現状で、挑戦者であることがそんなに悪いことでしょうか。
どうも譲渡者であろうと挑戦者であろうと、とにかくオバマはだめ(ヒラリーも)ってことのようですね。