高みの見物 | 朝の書評

高みの見物

北 杜夫
高みの見物 (1968年) (新潮小説文庫)
自分は文庫で読んだんでそっちのほうリンクしておきますけど、文庫は絶版みたいですね。
なぜこれを思い出したかというと、これも前回、前々回紹介した猫やドン松五郎と同じで、ただし語り手がチャバネゴキブリなんですね。そいつが襟元とかに潜んで人間観察するという、よく考えると悲鳴が出そうな設定です。
これは新聞連載だったんだと思います。だから起承転結はあまり明瞭ではなくて、どこから読んでもおもしろいような構成です。そこも猫と似てますね。思い出すのは、何人かで寿司を食べるシーンがあって、けっこう長く続くシーンなのだけど、ちっとも退屈ではなくて、それどころか読んでるうちにだんだん寿司が食いたくなってくるんですよ。やはり文章がうまいってことだろうなあ。