うわさのベーコン(再)
- 猫田 道子
- うわさのベーコン
実は、前回、表題作の「うわさのベーコン」だけ読んで書評したのですが、この本には、全部で4編収録されていて、ふたつめの「西山さん」をさきほど読了しました。
これは大長編で、加奈子と、加奈子に恋する西山と、恋敵でお金持ちの森本がいて、その三角関係を軸に話が進んでいきます。3人とも音楽の道に進み、3人とも音楽家として成功します。加奈子は森本が好きで、二人が結婚して子供が産まれます。しかし、森本が若いお手伝いさんと浮気をしたり、経済状態が一時的に悪くなったりするなどのドラマがあります。それでも加奈子は森本と最後まで添い遂げます。森本は、少しずつ体の調子が悪くなって、そのことを家族に隠していますが、とうとう重い病気であることがわかります。三人の子供はそれぞれ幸せな結婚をし、森本はそれを見てから病気で死にます。
物語のラストは、ずっと加奈子に片思いして独身を通していた西山が加奈子に再婚する気はないかと聞いて、加奈子がそのつもりはないと答えて終わります。
いやあ、これはなんか、衝撃でした。これは、ぶっとんでますねっ! 読んでて息が苦しくなってくるようです。でもストーリーをあらためて思い返してみると、大筋で物語的な辻褄、合ってるんですね。そこがまたなんとも、圧迫感があるというか。
三角関係、お金持ちとの結婚、仕事の成功、夫の浮気、子供の成長、どれもドラマの王道ですね。でも、なんでタイトルが「西山さん」なんだろ。そこがまたなんというか、文学的というか。
とにかく大長編の迫力がありました。読み終えて、なんだか疲れてしまったとともに、概ねハッピーエンドでほっとしました。残り2編は、時間をおいて体力が回復したら、いずれチャレンジしてみます。