4月4日(月)

先日、DVDやCDを何枚か買ってきた。

そのうちの一枚の中にある

  Robert Casadesus / Zino Francescatti   

Bourree fantasque は、忘れもしない一曲。


高校生の頃、やめていたピアノを再開してみた。

といっても、その頃の私はロックに夢中で、クラシック、

特に Mozart とかが、ほんとに嫌だった。


練習もせず、すっかり駄目生徒と化していた私は、先生に何かもっと

変わった曲をやりたいと言ったら、じゃあ、Chabrier はどう?

で、この曲をやることになった。

今考えると、Unbelievable!! ですね。


その時、Chabrier もこの曲も知らなかったし、レコードを聴いてみようとも

しなかった私。

多分速度記号なんかもちゃんと見ていなかったんだろう。

結局、Chabrier は、仕上げに行くまでに、レッスンが先生の都合で

終了したため中断したのだが、後年、この曲がどこかの店の有線で

流れているのを聴き、私は絶句した。

そして、笑った。


私はスピード狂ではない。

どころか、仕事をするようになってから、せっかちになり速歩きか

走ってることが多いけれど、前も書いたが、運動神経が鈍く、

本来はゆっくりが好きな人間だ。

何にも制限がなければ、ゆったりいく。

私の Bourree fantasque は、その時かかっていた曲より何倍も遅く、

全く別物だった。

本物は、Waon !、と思うぐらい速く、胸がドキドキした。


この DVD を観たら、ますます Unbelievable だと思い、

また笑ってしまった。

先生は、その人なりの音楽、をやって楽しめばよいという考えなんだと

後に聞くのだが、それにしても、私にこの曲とは...


そんなわけで、すごく好きな曲というわけではないけれど、

思い出の1曲です。