2月4日(金)

長ーーい間、買えなかったCDがある。
Syd Barret のだ。

なんたって邦題が、「帽子が笑う...不気味に」なんだもん。

さすがの年寄りの私でも、Floyd を知った時、すでに彼は伝説の人
だった。

Pink Floyd Story なんか聴きながら、興味は尽きなかったけど、
この邦題を見て、いつも躊躇してしまっていた。

歯磨きしながらジャンプしていた、とか、ブクブク太って赤いスカート
はいて現れたとか聞いちゃったから、よけいかも。

ジャケットの写真とかもいかにもだ。
つまり、精神が尋常でなくなっちゃってるとか、LSDやり過ぎとか、
ま、そんな感じだ。

興味本位で聴きたくないし、それに、面白そうだから買ってみる、
なんて余裕は、私の財布や家のスペースにはなかったから
買えなかった。

だけど、去年、 David Gilmour が、彼の曲を歌ってるのを聴いて、
あれっ全然違うじゃん、結構イイかもって思ってついに買ってみた。

どこが不気味なわけ? 殆どがどっちかっていうと POP な
ラブソングだ。

英語が得意な人にはなんでもないかもしれないが、調べてみたら、

Madcap って帽子じゃないだろっ!!

失敗したテイクがたくさん収録されてることを除けば、別に不気味でも
なんでもない。

この邦題をつけた人は、帽子が笑うだとか不気味だとか、セールスを
考えて敢えてこうしたんだろうか? 

病気っぽくて売れるとか? それとも、単純に無知だっただけか?

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おんなじように、クラシックでもあれって思うのがある。

Listzt:超絶技巧練習曲集 No.12 Chasse-Neige だ。

これは「雪かき」なんて、訳されてる。

聴けばわかるけど、どこが雪かきなんだよって感じ。

どう聴いたって、これは、ビュービュー吹く風、逆巻く風
(こんな表現ありか?)だ。
Neige っていうからには、吹雪かもしれない。

思わず辞書をひいてみると、確かに①に、機関車などにつける雪かき器
ってあるけど、③に冬の烈風ってあるじゃん!

絶対こっちだよ!!

楽譜でも、CDでも、邦題をつける人、ちゃんと考えてよ!!
って感じです。


 ♪ ちなみに Chasse-Neige は、Kissin のがオススメです。
   ゾクゾクします。