きっともう忘れている
私のことなんて

きっともう 遠い昔のように
忘れているに違いない


私が あの日から取り残されて
こうやって眠れない夜を
過ごしていることだって


眠りについてからも
君の影に脅かされていることさえも

君は知らずに
過ごしている


でも、その自由さに惹かれたのは確か
だから、今の君が 分かる気がする


きっと 私のことなんて忘れている
きっと 私のことなんて忘れて 笑っている

私の傷も 私の後悔も 私の想いも
私の存在さえも 全てなかったように

あの時の笑顔や
あの時の手の温もりや
あの時 二人で撮った写真や
あの時 二人でおびえたことや
あの時 二人で傷ついて 癒しあったことや
笑い合ったことや
寒い夜に温め合ったことや
慰め合ったことや
泣いたことや 謡ったことや
走ったことや 寝なかったことや


きっと忘れている
どこかに追いやっている



遠い未来に
君を忘れて 笑っている 自分を



遠い未来に
君を忘れて 誰かの側にいる 自分を

夢見て

今日も目を閉じる
今日という日をやり過ごしている