あの頃のキミは確か

薄汚れたおびえたネコのようで

あの時の青さは

今思えば 強力な武器でした。

いつの頃から その青さは

“カッコ悪いモノ”になって

うまくやる術を身につけては

二度と取り戻せないものになってしまいました。


あの頃のキミは

なぜか とてももろくて

掌に乗せたら 溶けて消えてしまいそうでした。

その危うさが そのはかなさが

それはそれは大変な魅力だったのです。


何も満たされないことでだけが原動力のようでした。

それを知らずに満たされる術を手に入れては

もう二度と取り戻せないものになってしまいました。


もの憂げで 孤独で 寂しげで
青く 白く それでも輝く光を 握りしめているようで


あの頃のキミ

それは まるで 蜃気楼 幻 

それは まるで 瞼に焼き付いた キミの影