まぁた、くだらないこと書きやがって、といわれてしまいそうですが、最近読んだ本でおもしろいものがあったので、ご紹介ですピカチュウきらきら

その名も、The Little Red Book of Wine Law: A Case of Legal Issues ワイン(きらりてきとーな訳:ワインの法律に関する小さな赤本)

↓一応日本でも買えるみたい(笑)
http://www.amazon.co.jp/Little-Red-Book-Wine-Law/dp/1590319885


$グラ可愛系働きマン@東京~ニューヨーク-winelawbook

ぺらぺらぺらな、ペーパーバックなのですが、中身はみっしりと法律の話ではありますあせる

他方、コラム的に、アメリカのワインの歴史とか、フランスとアメリカのワイン産業の比較などなどが記載されてまして、読者を空きさせない工夫をさせてますので、意外なかんじがありましたピカーキノコ

みっしり法律の話でも、ある程度、法律の素養がある人であれば、さらっと読める内容でしたエルモ



判例は、ワインと法律っていう、なんっていうか、ものすごいテキトー切り口からの観点なので、判例の範囲は、契約法やらの私法、憲法(州際通商)やら商標法の公法、TRIPs(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights)やらの国際法なんかを相手にしてますマリオ

が、ワインと法律どっちかに興味がある人で(英語読めることは必須ですが)あれば理解できるように、時代背景や裁判の経過とその後、判例内容を書いてるんですよね。

ABA(アメリカの法律家協会)出版の本をはじめて購入したのですが、意外とこういう軟派な本も書いてるのですねぇ。。。口紅
 ※そう、ロースクールで読まされるあの広辞苑のようなCase Bookとは違います。

この本を通じてわかるのが、ワインに関する米欧の考え方の違いです。

なんっていうんですかね、新興勢力のアメリカ側が論理や科学の力でヨーロッパにキャッチアップしていこうとする一方で、ヨーロッパは、Terroir(テロワール)などの、科学では解明されえない力を付加価値を武器に対抗している様子です。

アメリカのワイン産業の成長は、論理による判例法の蓄積(禁酒法やら州際通商やら契約法やら労働法やら)と科学の力による産業の発展(カリフォルニア州でヨーロッパの技術を導入しつつ科学の力で味を調整)にささえられているのだなぁと思いました。

他方、ヨーロッパは古来の手法を守りつつ(機械化もしていますが)、ある土地で生産された、その土地を大事にする様子がわかります。ぶどうの種類ではなく、どこで育って、どこで熟成されたか、が大事である、と。


両者の対比は非常に興味深いです。

Terroirという言葉はヨーロッパで聞きますが、アメリカのワイナリーでは聴いたことありません(私がいったのは、NY州のUp StateとLong Islandのみですが)。またきらりピカチュウがたずねに言ったシャンパーニュやブルゴーニュのワイン農家でも聞きまして、やはりヨーロッパの人たちは、見えないTerroirの力を信じています恋の矢

他方、「パリスの審判」にてボルドーワインはアメリカワインに敗北しちゃってます。。。
叫びこれによって、世界のワイン貿易の構図が塗り替えられたといっても過言ではありません。
 (きらりピカチュウ補足:ギリシャ神話の「パリスの審判」になぞらえた1976年のワイン対決のことです。アメリカ建国200年を記念し、パリで行われたテイスティングにて、フランス人審査員の下で、ボルドーやブルゴーニュなどの有名なフランスのワインがアメリカのワイン(カリフォルニアワイン)に敗北を喫しました。)

これは、ヨーロッパ勢にとって、まずい状況ですねぇ。。。えー


でも、伝統的な手法を変えるのは、彼らのメンタリティ的にありえない。。。えー

で、土地にこだわっている彼らは焦る、と(。-`ω´-)メラメラ

仕事でも「なんでヨーロッパはやたらと、土地にこだわるんだ」って、地理的表示(GI)の規制強化の話をしながら思っていたのですが、そろばん勘定(他国に自分とこの土地の名前を使わせないことにより、自国製品の優位を保つ)だけでもないんだなぁと実感しました。

この土地を大事にする発想はワインに限ったものではないんだなぁと妙にシンパシーを感じちゃいました。

日本人も、「新潟の魚沼コシヒカリ」と全く同じ苗で、生産されたとしても、カリフォルニア州産の「魚沼コシヒカリ」は「魚沼コシヒカリ」とは呼べない、って思うだろうしあせる


↓地理的表示、については下記参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%86%E7%9A%84%E8%A1%A8%E7%A4%BA


この著者の方からおもしろそうな話が聞けそうなので、どっかのタイミングで西海岸にいくときに、あいにいっちゃおぉと画策してますメモ

おでんさんおでんくん「車、運転できたっけ?」

きらりピカチュウ「いえいえ。ドライブがてらOpus Oneでも呑みにいきましょう!!

おでんさんおでんくん俺は飲めないじゃないか