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昔のブログで少年からの質問メールに答えてます。






ツイッターで見つけました。



ツイートしてくれた方に感謝です。



自分の意見ですが、5年も経つと、自分の取り巻く環境も変わるし、


色々なもんが変化します。



でも環境が変化しても僕は僕。



変われるものやありません。



改めて読み返し、再確認できました。



ありがとう!








5年経って、この少年どうしてるかな??









2012年11月20日 ブログ


「どうすれば脇阪さんの様なレーシングドライバーになれますか!?」


僕の所にたくさん来る、少年達からの質問です。

そうです、心当たりのある君達、君たちからのお手紙、メールです。

俳優、佐藤隆太さんのように

「夢にときめけ!明日にきらめけ!!」

ってカッコ良い事言いたいですが・・・

これは非常に難しい質問。


モータースポーツは色々お金がかかるからとか、特殊だからとか言われますが、そういう意味で難しいのではなく、相手が見えないから安易にその質問に答える事ができない難しさがあったのです。

その返事をするには、シーズン中で考える時間も無く、気持ち的な余裕も無く、手紙は机に、メールはメールボックスにフラッグを着けて保管していました。

JAF GPも終わりましたし、少し考えましょうね。



相手が見えないから難しい。

それはそうでしょ!?

顔を会わせばある程度見える部分もあります。

それでも見えない部分もたくさんあります。

手紙だけだとね。

君たちの状況が解らないから答えづらいわけ。

例えば

「僕はお金も親の協力もありません。」

って、彼がそれに対してどれだけ努力して、反対しているご両親の気持ちを動かせるだけの事をできている彼なのか?気持ちでは思っていて何の努力もできていない彼なのか?

それによって自ずとアドバイスする答えは変わるでしょ!?

また、ご両親が協力してもらえない理由も知らないまま助言するのはね。

叶える事が大変なレーシングドライバーになるという夢、何の夢においてもそうやけど、難しい事に向けて努力する事は良い事だと思いますよ。

レースにおいて、お金、環境、知識・・・

色々な問題があるでしょう。

でも、それをひとつひとつ解決するためにする努力、行動、それらによって養われる経験、またその人が持つ人を引きつける人間力、それらを培うには良い夢、目標だと僕は思いますね。

それで世界一のドライバーになってもらえたら最高やし、もし途中で夢を諦め違う仕事に就いたとしても、その経験は絶対に役に立つと信じています。

僕はレースしかできない、レースしか知らないレーシングドライバーを作りたいとは思いません。

ですから、簡単に質問に答えるのは難しいのです。

「カートに乗って腕を磨く。」

簡単に言ってしまえば、これがベストであり、全てなんですけどね。



経験談を少し話しますから、自分の環境と照らし合わせて自分で考えるのも手だと思います。

まず、「どうすれば脇阪さんの様なレーシングドライバーになれますか!?」

僕の正直な気持ちは・・・

脇阪寿一の様にはならないでください。(笑

キャラがかぶります!!(笑

冗談はさておき・・・

僕を目指すのではなく、もっともっと上を目指してください。

「目標、志は高く持て!!」

です。

素晴らしいドライバーを作るのに、目標は高くなくては困ります。

それに脇阪寿一、言いたいこと言いますから大変な事も多く、割が合いませんよ。(涙


僕はどうやってレーシングドライバーになったかを答える必要がありますね。

ざっくりですが、

何事においても負ける事が大嫌いだった事と、僕と巡り会ってくださった方々が僕を今の僕に導いたのだと考えています。

僕の負けず嫌いは生半可なものではありませんでした。

何事においてでもです。

子供の頃から、全てに勝ったわけではありません。

負けたらその負けた原因、どうすれば勝てるか?うまくなれるかを日々考えていましたし、陰で努力、練習してましたね。

こそ練ね。

急にうまくなったら相手もそれにビビって相手の実力が出にくいでしょ。

それもうまく使って勝てる確立を上げるの。

だから、自分の実力を上げるのと、相手をどうさせるか、2つ同時に考えるの。

レースをはじめてからも、初めて乗った割には速いね。上達速いね。

何でも乗りこなすね。そう思わせることができればその先に、こいつはこの先とんでもないやつになる!

そう思わせてステップアップしてきてん。

後は幼少期、子育てという観点で厳しく何をしてもあまり認めてくれなかった父親、その父親に気持ちの中で勝負を挑み、車が大好きな親父に認めてもらいたいという気持ちが強かったかもしれません。

それで車を競う道具に選んだのかもしれません。

僕の場合、本当に人の巡り合わせにめぐまれました。

自分で言うのもなんですが、たまたまなのか?何か魅力があったのか?

巡り会った方々が全て仏様の心をお持ちだったのか?

僕の場合は19歳でレースを始めて・・・特殊ですね。

綱渡り的な道を歩んだのか?恵まれた太い道を歩ませてもらったのか?

自分の事ですから余計に解りません。



許可は取ってませんけど・・・

例えば伊藤大輔選手。

彼は苦労人です。

子供頃にレースを見に行った鈴鹿サーキット。

そこで衝撃を受けた彼はバイトしてその全てをカートにつぎ込んでレースを始めました。

そのバイト代で足りるわけも無く、色々な所に借金してレース活動。

鈴鹿のレーシングスクールが開校になる年、また借金して入学金を集めて入学。

そのスクールにはスカラシップ制度がありそれを目指したのです。

その一年、彼の実力は十分ありましたが大人の事情で・・・。

それでも彼は腐らず上を目指したのです。

その頃、彼はスキルスピードというチーム、鮮明に覚えています。

それからのレース人生も苦労の連続で・・・

でも、彼はホンダで台頭し、ご存知の通り2007年にはNSXでスーパーGTタイトルを獲得し、今やトヨタの看板選手です。

何で彼は色々な所から借金ができたのでしょうか?

色々な苦労をして、つぶれそうになっても、つぶれず今に至るのでしょうか?

それは彼を助けたい、支えたいという人達が彼の周りにたくさん居たのだと想像します。

また、それはたまたまでしょうか!?

僕は違うと思います。

レーシングドライバー伊藤大輔として我々が彼を認める前に、彼を助けた方々が、一人の人間として伊藤大輔を認めたという事だと思います。




ほな、違う路線で谷口信輝選手

スーパーGT300クラスのスター選手です。

ドリフトも世界レベル、何の車を乗せても乗りこなし、車が大好きな彼。

くそ生意気な広島の青年が、土屋圭市さんのドリフトイベントに俺の方が上手いやろ!!って現れたらしいです。

それは彼らの目に止まりますわな。

そこからドリフトの腕をさらに磨き、ドリフトで培ったコントロール技術を武器に4輪界に殴り込み、今に至るわけです。

峠から、ドリフトから、日本のレース界のトップに駆け上がった珍しい例ですね。

彼には土屋圭市さんや織戸学選手といった良い兄貴がいたと思います。

でも、その彼らの気持ちを動かしたのは、彼の努力と気持ち、キャラ、そして何より彼のドライビング技術だったと思います。

そのドライビング技術は僕が分析するに、ドリフトからは想像できませんが、勢いではなく頭脳からくるものです。

頭の中で考え、努力し、勝つ方法を見いだすタイプ。

今、何をすべきか?それを瞬時に判断する頭脳を持っている選手です。

だから、その考え方を持ってすると何してもうまい。

ゴルフもそうやしね。

彼の考え方が彼のブログ「JAL」に表現されてるよ。

面白いよ。彼の考え方が一目瞭然。

ご覧あれ。

カート上がりでないと通用しないとされている今のレース界。

彼は異色の存在ですね。

“初心忘るべからず”

彼は今でも車を自分で改造して、車を楽しみ、その楽しさを多くの方々に彼なりのスタンスで伝えています。





後は・・・

本山選手、道上選手、高木虎之介選手・・・・

このあたりはレース界のサラブレッドですね。

本山選手は幼少期からカート界で“神童”と呼ばれ、いわゆる天才。

カートをプロとしてお金をもらって乗っていましたからね。

道上選手はお父さんが元レーサーでありカートショップのオーナー。

関西の道上と言えば知らない人は居ない。

僕がレースをするきっかけは道上選手の存在です。

関西が道上なら、中部は高木虎之介。

静岡県つま恋で開催された全日本カート選手権、僕の目の前で繰り広げられた2人の直接争いは忘れられません。

毎周の様にトップを入れかえる2人。

アクセルの踏み過ぎでエンジンが持たずに2人ともリタイア。

そこまで踏めばエンジンがもたない事も解っていたでしょうが、負けず嫌いから来る2人の意地の張り合い。

それは壮絶でした。

雑誌には“龍虎の戦い”と見出しを飾りました。


言いたいことは、彼らの周りにはいつも大勢の人達が居ました。

彼らは人々を引きつける何かを持っていたのでしょう。




僕からのアドバイス、それは僕が紹介したこれらの事を頭にいれ、自分は今何をすべきかを考えて行動して欲しい。

どんな事であっても、人に魅力を感じてもらえる様な人間になってもらいたい。



夢に向かって突き進む!

素晴らしい事です。

でも難しい事です。

今しかできない事です。

精一杯やれば良い。

でも、その夢に向かって偏るやり方ではなく、頭を使ったアプローチをする事も大切であるし、それがご両親や、心配してくださる周りの方々への、敬意であるかもしれませんね。

今、自分が存在する事。

それは自分の力だけではありません。

それもよーく理解して頑張っていこう!!

君たちもこれから色々な人に巡り会っていくでしょう。

その中に僕も居たら、それはそれで僕も嬉しいかな。



さぁ、夢に向かってはりきっていこう!!



歳をとると色々な事情、しがらみでできない事がたくさん出てくるから、今のうちに後悔しないように、頑張って。


陰ながら応援しています。














































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