第212話 結びのことば

―じゅっぺ先生の「輝け! 大地保育」―
 

 

私は大変不満です「子どもは変わった」とよく聞きます。今も昔も、子どもはお母さんの抱っことオッパイが大好きです。今も昔も、子どもはお父さんの肩車が大好きです。アタッチメント(皮膚接触)とスキンシップ(愛着)は子育てに不可欠です。子どもは変わっていません。

 

大人社会は経済も産業も戦争も科学技術のAI・生成AI(人工知能)や、IT(①ICT情報通信技術、人同士のコミュニケーション。②IOTモノのインターネット、モノ同士のコミュニケーション)と、コンピューター導入によって変わりました。

 

しかしながら乳幼児の発達過程は、手を使って考える体験学習が大切なことは何も変わっていません。

遊びと生活を通して学ぶ保育の必要なことも何も変わっていません。塩川豊子の大地保育「汲みつくすことのできない宝庫である大自然に挑む中で、子どもたちが育てられていく保育」の保育哲学も何も変わっていません。私は人間の発達過程について「人生の10のステージ」を考えてみました。乳幼児期の保育のあり方を私のこの本で伝えたいのです。「どろんこ保育」「名のない遊び」は普遍的な遊びです。「昭和の保育」or「過去の保育」にしたくないのです。大地保育(=自然と遊ぶ)は普遍的な価値です。子どもの幸せについて「のびのび自由保育=子ども主体の保育」を生涯をかけて研究してきました。

 

まず初めに、長い期間ご苦労をかけて本書を編集してくださったフリーの青木美加子様に心から感謝申し上げます。また、ボランティアの形で編集の専門的なご指導をしてくださったフレーベル館の奥友彦様に大変お世話になりました。お二人には私のフレーベル館出版「名のない遊び」「大地保育環境論」の編集もしていただきました。重ね重ね感謝申し上げます。また、学術論文「塩川豊子論」を友情共同執筆者として快く提供してくださった学術博士大須賀隆子様に心から感謝申し上げます。

 

思えば、約4,000人に近づく卒園児さんと、塩川豊子と共に歩んでくださった多くの職員の方々、保護者の方々、創造美育協会の方々、愛育心理協会の方々 。園児に愛され続けた野中ザウルスを創ってくださった仙田満さんと環境デザインの皆々様。ニイルの自由教育を伝えてくださったきのくに子どもの村学園長の堀真一郎さん。

 

「大地保育環境論」の書評も書いてくださり、塩川寿平の研究活動をずっと見守ってくださった日本保育学会の会長さんで日本の保育界の重鎮秋田喜代美様に心から感謝申し上げます。

 

そして私の母であり、大地保育の師匠である塩川豊子さんの仏前に本書を捧げます。ありがとうございました。 

 

 

合掌    塩川寿平 2024年7月 吉日