こんにちは。

じゅっぺちゃんです。

今日は、

岳南朝日新聞 2018年 平成30年 8月1日 水曜日 掲載

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幼児教育・保育を考える  No.1   

幼児教育・保育無償化に賛成

シリーズ寄稿 塩川寿平 (元静岡県立大学教授 大中里こども園名誉園長)

 

1、「骨太の方針」で無償化前倒し

私たちを驚かせるニュースが舞い込みました。

 

当初2020年度の実施予定であった幼児教育・保育の無償化の政策発表が、突然、 2018年6月、政府の経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれました。そして 2019年10月に前倒しすると発表されたのです。驚いたのなんのといいましても、早い!あと 1年3ヵ月で実施です。

 

その内容は、1ヶ月最大2万5,700円を補助の予定だと言うのです。

 

しかも、認可外保育(企業主導型保育・事業所内保育・ベビーホテル・自治体独自に補助金を拠出している施設・児童発達支援)等の幼児教育・保育の認可基準に満たない施設にも改善を条件に、平等に支給するというありがたい、なんとも心強い知らせが舞い込んだのです。

 

2、有識者会議による報告書

2018年5月31日の有識者会議による報告書の骨子(案) 

 

①消費税10%と地方自体の準備期間を踏まえ2019年10月の全面実施を提案。 

 

②幼児教育・保育の無償化(約8,000億円)は、自民党の先の衆院選での2兆円規模の政策パッケージに盛り込まれた公約の柱。 

 

③認可外の補助の月額上限額は、認可保育所の全国平均額までとする。 

 

④対象施設は公平性と保育の質の観点から国の指導監査基準を満たすことが条件。ただし5年間の経過措置を設ける。

 

実は、後に政府はこの内容を「骨太の方針」に盛り込みました。こうして実質的に無償化政策は現実する見通しとなりました。

 

 

3、教育支出への各政党の公約

 

2017年の衆院選の各政党の公約を見てみましょう。

 

①自民: 3歳から5歳は幼稚園・保育園・こども園等全て無償化。 0歳から2歳も低所得世帯は無償。高等教育は給付型奨学金や授業料減免を増やす。

 

②希望:幼児教育・保育の無償化、大学の給付型奨学金の大幅拡充。

 

③公明: 0歳から5歳児すべての教育無償化の実現。給付型奨学金と授業料減免を拡充。

 

④共産:保育所・幼稚園・こども園等の無償化。給付型奨学金の拡充と、貸与制奨学金の無利子化。

 

⑤維新:憲法を改正して幼児から大学までの教育を無償化。

 

⑥社民:保育所・幼稚園・こども園等の無償化。高等教育の学費引き下げ、給付型奨学金の拡大。

 

以上のとおり、6政党の公約は原則的に無償化に賛成。このような公約と世論の後押しがあり、幼児教育・保育の無償化は国民の理解が得られたと思います。

 

 

4、政策の正当性に私は賛成します

 

対象児は、3・4・5歳児であり、教育時間は幼稚園と同じ午前中の4時間に特化し、教育・保育要領の縛りのある確かな税金の使われ方が担保されているからです。公平な教育を受ける条件づくりとして、無償化は所得制限を設けずに設計されることが原則です。ちなみに諸外国は無償化に所得制限を設けておりません。

 

私は50年間、幼児教育の教員養成と現場の指導に携わって、全国の状況を見てまいりました。悲しいかな教育・保育の内容は年々劣化の一途をたどり、保育の質はバラバラになりました。特に待機児童問題が社会問題になると、保育の質よりも、施設の数が優先され、政府は私たちの想像もしなかった様々な規制緩和を打ち出し、質の低下を招きました。

 

決定的な出来事は、福祉や教育の世界にも資本の理論が入れられて、経営重視の企業型経営を良しとする風潮が生まれました。

 

そのような時に、幼児教育・保育の無償化は大きな一石を投じることになります。『対象施設は、公平性と保育の質の観点から国の指導監督基準を満たすことが条件(有識者会議)』を大原則としているからです。

 

約8,000億円の無償化の費用が教育の質の向上をもたらす良い働きをすることが期待されるからです。

 

富士宮市を見ても幼稚園・保育所・こども園・児童発達支援・小規模保育・家庭的保育・事業所内保育・居宅訪問型保育・企業主導型保育等、約45施設がありますが、国の指導監督基準の指導がおこなわれれば保育の質が向上します。そこに通う富士宮市の3~6歳児は約4,000人です。この子たちが等しく公平に質の高い教育が受けられる事を私は心から願っております。

 

その意味においても幼児教育・保育の無償化は富士宮市の保護者の方々にも、またとない福音であり、子どもの教育を保障し、子どもの利益を最優先する第一歩になる事は間違いありません。

 

__”幼児教育・保育を考える2”につづく__

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塩川 寿平(1938年生まれ)


   大地教育研究所所長
   大中里こども園名誉園長
   元静岡県立大学教授


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活動:こども環境学会アドバイザー
    愛育心理研究所インストラクター

著書:「名のない遊び」「コーナーのないコーナーの保育」 
    「どろんこ保育」「大地保育環境論」等   
(出版社 フレーベル館=電子書籍化も有ります)

 

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    ジュッペちゃんの保育のこころ
子どもを大切にするということは人としてであって、
私たちの"大地保育"は大人も童心人となって、
子どもと共に独立国(子どもの園)を創造するということ
ではないかと思います。 
いつでも・どこでも・いつまでも子ども心を忘れずに
『名のない遊び』等を大切にしたいと思います。

 

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