2009年2月9日(月) 午後10時00分~10時49分
NHKスペシャルにて、
  職業“詐欺”~増殖する若者犯罪グループ~
が放送された。

以下は、番組HPから一部抜粋。
実行犯は20代の若者がほとんどで、有名大学や一流企業の出身者も多い。
詐欺を「仕事」、実行犯を「従業員」と呼び、友人、知人を“高給”でスカウトし組織化を進める。
「騙される方がバカ」と悪びれず、高級マンションや外車を購入、「金こそ全て」の生活を送る。
逮捕のリスクが高い犯行は、安い報酬で雇った生活苦の失業者を使うなど極めて悪質だ。

今だに被害が増え続けている「振り込め詐欺」の犯人に肉薄する内容で、
詐欺グループの若者が言う
  「他人はどうなってもいい。金こそ全て。」
の言葉には、衝撃すら覚えた。


しかし、この言葉は、今の日本の大人が、特にマスコミが
嫌と言うほど伝えてきた言葉に過ぎないのではないのか?


詐欺グループの犯人をかばうつもりは毛頭ないが、
若者を切り捨て、社会的弱者を切り捨て、
  「他人はどうなってもいい。金こそ全て。」
という行動を取ってきた大人たちに、
このような考えを持ち、詐欺と言う犯罪を実行する若者たちを
批難する資格があると言えるのだろうか?


このような考えを持つ若者を生み出した責任は、
社会に、そして同じ考えを持つ大人たちにある!


「金が全てではない」ということは、
『カジノ資本主義』の著者が書いていることであるし、
人生の中でそれに気づいている大人も多くいる。

その一方で、「金こそ全て」という大人が、
日本全国、至る所にいるのも事実だ。


金で自分の心や他人の心を買うことはできない。
いずれ、金がすべてでないことに気づくだろう。
気付かない人間は、一生哀れなままで生きていくしかない。


「金が全てではない」ことを若者にきちんと伝えることのできる大人が
今の日本には圧倒的に少ないのが現実だ。
このことが、日本の社会が抱える最大の問題なのかもしれない。



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