マイケル・ムーア監督の映画『華氏911』を見て、ブッシュ大統領とイラク戦争への怒りの気持ちが収まらなかった。
しかし、『華氏911』に少し違和感を感じると同時に、イラク帰還兵の本当の気持ちを知りたいと思ってきた。
『マイケル・ムーアへ―戦場から届いた107通の手紙』 (楽天ブックス)
は、『華氏911』と呼べる。いや、本書こそ本編ではないかと思える本だった。
マイケル・ムーアは「まえがき」に数ページ書いているだけで、
本書の本編はマイケル・ムーアに遅れれた帰還兵やその家族からのメールが掲載されている。
それぞれのメールは1ページから数ページという短さで、自分の気持ちを述べたものだが、
それが集められたとき、これほどの力を持つものかと感心させられる。
マイケル・ムーアは、本書の「まえがき」で次のように書いている。
メールに書かれていた言葉。それは自分が予想しなかった、次の様なものだった。
「自分が反戦を語る資格があるだろうか」と考えざるをえなかった。
マイケル・ムーアが
映画『華氏911』で違和感を感じたことが正にこの「兵士への思い」であり、
これがあったからこそ、兵士やその家族がマイケル・ムーアの本や映画をきっかけに、
マイケル・ムーアの言ってきた戦争の真実を理解できたのだろう。
本書の中である兵士は、
貧困を抜け出すために兵士になったのに、安い給料で過酷な労働を強いられ、
無事に帰還しても十分な医療を受けられなかったり、職につけなかったりする。
一旦入り込むと抜け出せない、「貧困ビジネス」そのものだ。
本書に掲載されたメールを書いた多くの兵士や家族の願いもむなしく、2004年にブッシュ大統領は再選され、
アフガニスタンとイラクの戦争は続き、今も多くのアメリカ兵が戦場や帰還した後の生活で苦しんでいる。
次の大統領選で民主党、共和党のどちらが大統領になったとしても、
イラクやアフガニスタンへの出兵が終わるとは思えないのが残念でならない。
『マイケル・ムーアへ―戦場から届いた107通の手紙』 (楽天ブックス)
本書は絶版になっているようだ。自分は図書館で借りて読んだが、図書館で借りるか古本で買って読んで欲しい。
チョムスキーのような小難しいことは全く書かれていない。しかし、それ以上の真実の言葉が書かれている。
しかし、『華氏911』に少し違和感を感じると同時に、イラク帰還兵の本当の気持ちを知りたいと思ってきた。
『マイケル・ムーアへ―戦場から届いた107通の手紙』 (楽天ブックス)
は、『華氏911』と呼べる。いや、本書こそ本編ではないかと思える本だった。
マイケル・ムーアは「まえがき」に数ページ書いているだけで、
本書の本編はマイケル・ムーアに遅れれた帰還兵やその家族からのメールが掲載されている。
それぞれのメールは1ページから数ページという短さで、自分の気持ちを述べたものだが、
それが集められたとき、これほどの力を持つものかと感心させられる。
マイケル・ムーアは、本書の「まえがき」で次のように書いている。
どのメールにもアフガニスタンとイラクでの任務に深く幻滅したことが書かれていた。そうした意見がユニークで感動的なのは、左翼や反戦家の言葉じゃないからだ - それは戦争をしている人の言葉だ。彼らの意見がしっかりしているのは、戦争をじかに体験しているからだ。
メールに書かれていた言葉。それは自分が予想しなかった、次の様なものだった。
死んだり負傷した仲間、犠牲になるイラク人、アメリカの貧困層への思いやりの気持ち。本書を読んだ後、某巨大掲示板や有名SNS、討論番組で交わされる議論が、全く空虚で無意味なものに感じられた。
無意味な戦場に送った政治と大統領への批判。良心的兵役拒否をし軍法会議での禁固刑。
選挙の大切さ。十分な装備や医療を受けられない一方、自分たちより高給の請負業者。
「自分が反戦を語る資格があるだろうか」と考えざるをえなかった。
マイケル・ムーアが
「たとえ戦争に反対でも、兵士たちを支持することは大切だ」という言葉は、彼らのメールを読んでこそ理解することができる。
映画『華氏911』で違和感を感じたことが正にこの「兵士への思い」であり、
これがあったからこそ、兵士やその家族がマイケル・ムーアの本や映画をきっかけに、
マイケル・ムーアの言ってきた戦争の真実を理解できたのだろう。
本書の中である兵士は、
「ぼくらはイラク人とアメリカ国民をテロリズムから守っているんだと思わされていました。と書き、別の兵士は、
だけどなんのことはない。本当は、ぼくらがテロリストじゃないか!」
「私はわが国の国防は極貧の人々によって担われていること、その人々は、これから何世代にもわたり、兵卒を補充するのに都合がいいように、そのままの状況に置かれ続けるだろう、という真実を、あの映画(『華氏911』)を見る人々にあなたが突き付けてくれたことを嬉しく思います。」と書いている。
貧困を抜け出すために兵士になったのに、安い給料で過酷な労働を強いられ、
無事に帰還しても十分な医療を受けられなかったり、職につけなかったりする。
一旦入り込むと抜け出せない、「貧困ビジネス」そのものだ。
本書に掲載されたメールを書いた多くの兵士や家族の願いもむなしく、2004年にブッシュ大統領は再選され、
アフガニスタンとイラクの戦争は続き、今も多くのアメリカ兵が戦場や帰還した後の生活で苦しんでいる。
次の大統領選で民主党、共和党のどちらが大統領になったとしても、
イラクやアフガニスタンへの出兵が終わるとは思えないのが残念でならない。
『マイケル・ムーアへ―戦場から届いた107通の手紙』 (楽天ブックス)
本書は絶版になっているようだ。自分は図書館で借りて読んだが、図書館で借りるか古本で買って読んで欲しい。
チョムスキーのような小難しいことは全く書かれていない。しかし、それ以上の真実の言葉が書かれている。
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