愛だの友情だの平和な心なんかは、いじめられてる人にはなんの助けにもならない。

 学校や社会はそういうことを掲げているけど、実際、俺に救いはなかった。

 俺の支えになったのは、いじめたやつらを殺せるナイフと、自作した爆弾だった。

 まあ、殺すのは実行できなかった。

 そして俺が自殺した。

 走る電車に飛び込んだ。

 目が覚めたら病院のベッドの上に固定されてた。

 しばらく車椅子がなければ移動できなかった。

 治っても、障害が残った。

 でも、俺に嫌がらせした奴らは、ふつうに生活している。

 なんの罰も受けずに。

 俺を自殺に追い込んでおいて、なんの罪も問われず、罰も受けない。

 警察も精神科医も家族も、俺の自殺未遂は、ただ俺の頭がおかしくて、俺が病気だからだとした。

 いじめや嫌がらせの事実はない。

 そういうことになった。

 親は俺が生きてたことについては何も言わず、ただ「迷惑な奴だ」という。

 嫌がらせしてたやつらは幸せに生きている。

 どいつもこいつもぶっ殺したくなてくる。

 冗談です。

 俺をいじめてたやつらは幸せに生きている。

 ずっと前には同じことを考えていた。

 しばらく憎しみは忘れてた。

 時々は出てくるけど。

 最近はすごく殺意が湧いてくる。

 思い出している。

 いじめられてた当時のことや自殺したときのことを。

 まあ思い出すって言っても、自殺の記憶はなんだかぼんやりしていて、よく思い出せない。

 ただ、「死んで、もう苦しまなくていい」という気楽さがあったのは覚えてる。

 運よく生き残ったけど。

 でもまあ、最近はカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」をやってるときは嫌なことを考えなくてすむかな。

 でも、一日中そうではない。

 憎しみは、どんどん湧いてくる。

 なんで、いじめは隠される?

 教育委員会も第三者委員会も隠すけど、そいつらが認めても、市長や知事は認めない。さらに、政治家もいじめ事件を無視する。

 やはり、金と権力を持ちたいからだろうか?

 いじめの真相が暴かれると困ることが、権力者にはあるんだと思う。

 マジでむかつくな。

 なぜ、いじめ加害者を守るんだ?

 被害者を自殺させても、殺人にはならない。

 自殺だから。

 そして、死人に口なし。

 いじめの事実は隠される。