キリシマの境遇から、女性警官が取り調べに加わることとなった。
「しかし、彼女の言うことに間違いはなさそうだし・・・・・・。
あなたたちの求める情報は得られないのでは?」
ゴトウがマキを気遣って言う。
「そうだが・・・・・・。もう少し粘ってみたい。なにか思い当たることがあるかもしれない。」
マキはいかにも警察のお偉いさん、という感じに喋る。
「ユウキはちょっと外で待っててくれ。」
マキはそう言って取調室に入った。
「キリシマさん、本当になにかありませんか?
カンザキが最後に言い残したことや、あるいは物とか。落ち着いてください。」
マキはキリシマが取り乱すことにも構わず冷静に喋る。
「・・・・・・はい。ええと・・・・・・・そういえば、カンザキさんですけど・・・・・・。
誰にも言わないから、助けてくれとか・・・・・・。」
ぴくりとマキは反応した。
「言わない。なにについてですか?覚えてていますか?」
「はい・・・・・・兵士たちは、ウラン?だとか工場・・・・・・でしょうか。
あと、地図とか・・・・・・そんなことを言ってました。」
キリシマは正直に話したのだと確信を持ったマキ。
「ありがとう。」
とい言って取り調べ室を出た。
「お求めの証言は得られたんで?」
ゴトウがマキに尋ねた。
「ああ。手掛かりくらいは。」
マキは相変わらず無表情で言う。
「どんな?」
ユウキはまったく分からないのでその通り尋ねた。
「おそらく、革命軍の濃縮ウラン精製工場だ。」
マキは、煙草を取り出して、火を点けた。
「なんてこった・・・・・・。」
ゴトウは頭を抱えた。
「へぇ・・・・・・。」
ユウキはにやりと笑った。
ユウキは、自分が加担したり巻き込まれるのは嫌だが、人が大勢死ぬのは好きだ。
「カンザキは、工場の場所・地図もしくは工場内部の情報を知った。
そのために、始末された可能性がある。」
マキは煙草の煙を吐いた。
- ビートのディシプリン〈SIDE1〉 (電撃文庫)/上遠野 浩平
- ¥659
- Amazon.co.jp
- ビートのディシプリン〈SIDE2〉 (電撃文庫)/上遠野 浩平
- ¥659
- Amazon.co.jp
- ビートのディシプリン〈SIDE3〉 (電撃文庫)/上遠野 浩平
- ¥616
- Amazon.co.jp
- ビートのディシプリン〈SIDE4〉 (電撃文庫)/上遠野 浩平
- ¥616
- Amazon.co.jp
- ビートのディシプリン 文庫 1-4巻セット (電撃文庫)/上遠野 浩平
- ¥2,549
- Amazon.co.jp
- ガレリアンズ:アッシュ 公式コンプリートガイド/著者不明
- ¥1,404
- Amazon.co.jp