「カタナ、今日は研究所へ行き、あなたの能力のテストをします。」

朝起きて、朝食を食べているカタナに師匠は告げた。

「ハマダ大臣や、研究に参加している要人達が、興味があるそうで。」

「そうですか、じゃあこれ食べたらすぐ行きましょう。」

「ゆっくり食べても大丈夫ですよ。」

「だって偉い人がいっぱい来るんでしょう?急いだほうがいい。」

「じゃあ、私は先に車で待ってます。」


「やってみせろ。」

ハマダ大臣が言った。

場所は研究所の中の、とある一室。

ハマダは師匠・各省庁の権力者・研究員とともに実験室内の、強化ガラスで仕切ってある外側にいた。

そして内側にはカタナと、拘束椅子に縛られた犯罪者がいた。


「殺せってことですか?いいんですか?そんなこと・・・。」

「かまわん。そいつは連続殺人の犯人で、殺すことを快楽だと思ってる死刑囚だ。」


「目に映った人間を殺せるなら、そいつも殺せるだろう?かまわん。」

「まあ・・・殺したほうが、世界の平和ってわけですね。」


カタナは、目の前にいる拘束されてなんとか逃れようとしている人間を見た。


そして集中した。


(コロせ!)


心の中で叫ぶ。


次の瞬間・・・。


目の前にいた人間が血の噴水になった。


「こんなものです。」

居合わせた人間は「おお!」と喚声が出た。


師匠以外は。



師匠は両手を組んで、無表情で黙っていた。

彼女は超能力者としての才能があると判断され。

遺伝子をいじられ。

さまざまな薬物を投与されることにより才能を強化され。

似たようなほかの超能力者達とともに戦争の決戦兵器として戦場に送られ。

たくさんの革命軍の兵士を殺した。

その中で得られたものがあった。


それは・・・。


どんなときでも自分の命を優先すること。


仲間が死んだり、人質にとられたりしても、応じない。

死人がでて悲しくても、そんなことで一々悲しまない。

生きるためには誰であろうと殺す。



それが師匠と呼ばれる女性の人生哲学だ。