「出てきた!」
タカギが叫んだ。
「カタナさん、状況開始です。」
「了解。」
モニターには二人の男性の姿が映っている。
カタナは目を閉じる。そして集中した。
(私を放って。)
「ああ、殺せる。」
その瞬間、モニターに映る男の一人に変化が・・・。
男の体中が切り刻まれて、ブシュっと血の噴水に変わった。
カメラの向こうの、もう一人の男はなにが起こったのかわからなかった。
「な、なんだ!?くそっ!」
拳銃を抜いて乱射した。
しかし男の敵はそこにはいない。
「能力者か!畜生!この世界は俺たち革命軍のもんだ!」
男は叫んだ。
そして・・・。
次の瞬間、血の噴水に変わった。
(カタナは・・・私が守る。邪魔な人間はみんな死ねばいい。)
「彼女」の声は、遠く、誰にも聴かれていなかった。
「じょ・・・状況終了です。」
ミナが呆然としながら言う。
「すごい・・・本当にカメラの向こうの人間が・・・。」
タカギも同じく呆然としていた。
「なるほど、それがあなたの能力・・・。たいしたものです。」
師匠が言う。
「でも、まだ使い慣れてないので・・・頭が少し痛いです。」
頭に手を当てながらカタナがつぶやく。
「大丈夫。ゆっくり育てていきましょう。つぶすには惜しい才能です。」
「はい・・・ありがとうございます。」
カタナは深く息を吐いた。
モニターの向こう側では、警察が集まってきていた。