「脳波に乱れはありません。」

「頭の中で女性の声が聴こえるというのは、やはり幻聴なのか?」

「いえ、実際に声が聴こえて難を逃れたことが何度かあるようです。」

「RSPKが発動して高度な物質干渉が起きたことがあったそうだな。」

「確かに、精神が不安定なときに発現するようです。」

RSPKとはポルターガイストのことだ。

今日、カタナは連邦同盟の超能力研究施設にいた。

協力することで、一家庭養えるくらいの収入がもらえる。


「カタナ君、調子はどうですか?」

「良いです。」

「キミは言ってたな。テレビ画面にでる人間に干渉できると。」

「はい。でもここではできません。」

「なぜだい?」

「相手が死んでしまうからです。」

「ふむ。」

「応用すれば、人の姿が見える鏡からでも殺せます。

あと、監視カメラをクラッキングして、その映像からでも殺すことが出来ます。」

「確かに、キミはハッカーとしての技術もあるようだからな。」

「独学ですが。」

「確かに便利な能力だ。監視カメラから相手からの反撃を受けずに攻撃できる。」

「そうです。」

「その能力を我々日本のため、もしくは世界平和のために使う気はあるかね?」

「俺をスカウトするんですか?」

「そうだ。」

「・・・それが多くの人を救うことになるのであれば。」

「もちろんだ。そのために我々がいる。」

「わかりました。俺も参加させていただきます。」

「そうか。ありがとう、歓迎するよ。私は法務大臣ハマダだ、よろしく。」