【記者会見】神奈川大学・伊東純也(甲府)・高木利弥(山形)合同入団記者会見 | 継承。-大学サッカー連盟公式ブログ-

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 さる12月25日、神奈川大学横浜キャンパスにて、伊東純也選手・高木利弥選手のJクラブ合同入団記者会見が行われました。両選手、松永道敬チームマネージャーのほか、神奈川大学の石積勝学長、そして進路先両チームの関係者も出席。チームユニフォームを両選手に贈呈するとともに、両選手の獲得にいたって経緯、評価ポイントなどが語られました。
 質疑応答のシーンでは、石積学長が記者に混じって手をあげ、両選手に質問を投げかけるシーンも。「憧れの選手を。そして、もしこんな質問がナンセンスだと思ったら、異論を」という茶目っけたっぷりの学長の質問に、ふたりもタジタジに。「特に憧れの選手はいない」という伊東選手の答えに、石積学長は「メッシとかの名前をあげると思った」等、サッカー好きな一面ものぞかせていました。

 以下、記者会見でのやりとりをご紹介いたします。



■株式会社ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブ
専務取締役ゼネラルマネージャー 佐久間 悟 氏


 伊東選手の入団の経緯についてご説明いたします。まず、私どもの強化育成部のスカウトが、神奈川大学にすばらしい選手がいるということで、伊東純也選手の名前を伝えてきました。その後スカウト何試合も伊東選手のプレーを見たうえで、ぜひ甲府の練習に参加してもらいたいということになり、今年の1月22日から御殿場・時の栖で行われた春の1次キャンプに参加してもらいました。そのさいに、今年度で監督を退任されましたが、城福浩監督をはじめとするスタッフからも非常にいい選手だという感触がありましたので、3月にマリノスのグラウンドで行われた練習試合に参加してもらいました。そこでも、彼の持ち味であるスピードと得点力、パスのすばらしさが発揮され、5月8日だと記憶していますが、神奈川大学の松永道敬チームマネージャーに、正式にオファーをさせていただきました。その後、伊東くんもいろいろなチームからオファーがあったと聞いています。ウチは山梨県の小さな小さなクラブで、財源も限られている、そして環境的にもけっして胸を張れるような状況ではありません。最後の最後まで、本当に伊東くんに来てもらえるか心配していましたが、9月12日に無事仮契約を締結させていただきました。
 その後J1の残留争いは熾烈を極め、私たちも最後まで苦しみました。そんな中、城福前監督から、伊東くんを強化指定にして最後の最後にジョーカーとして使いたいというたっての希望がありましたので、関東リーグ戦終了後に特別指定選手として参加してもらい、最終節の清水戦ではベンチ入りもしてもらいました。
 先ほど石積勝学長からもお話がありましたが、我々のクラブには佐々木翔選手という神奈川大学の先輩選手がおります。まさしく神奈川大学の基本的な精神、質実剛健そして積極的に困難を乗り越えていく強い心を持った選手です。伊東くんにも、佐々木選手のように神奈川大学の精神をもって甲府の活性化、強化につとめてもらえればと思います。
 最終節の清水戦では、残念ながらピッチにたつことはできず、デビューは新シーズンに持ち越しとなりました。しかし、我々にとって伊東くんは即戦力、そしてレギュラーになれる逸材ではないかと、樋口靖洋新監督も大いに期待しております。


■株式会社モンテディオ山形トップチーム
事業部
強化グループテクニカルダイレクター 石井 肇 氏


 2014年シーズン、モンテディオ山形は6位という成績でしたが、プレーオフを勝ち抜いて来年度よりJ1に復帰することができました。来年度のチーム作り、チーム編成をする中で、選手たちに何を求めているのか、どういう姿でいてほしいかということを考えたとき、どんな年齢層の選手にもハードワークをしてもらいたい、ということがあります。そして若手の選手には特徴のある、将来性豊かな鍛えがいのある選手になってもらいたい。そういうチーム作りを目指しております。
 関東大学リーグを見ている中で、高木くんが目につきました。特に攻撃面で彼の良さの報告を受けています。たとえば右から左へのサイドチェンジでボールが入り、トップにつけてFWが前を向いたとき、必ず高木くんがその近くでプレーをしている。その積極性、運動量、そしてクロスの質、やりきるプレーの精度の高さ。そういった攻撃面での良さ評価いたしました。
 加えて、夏休みの時期に強化指定として山形の練習に参加してもらいましたが、監督の石崎信弘は非常に厳しいトレーニングに選手に課します。高木くんには、それに耐えられるタフなメンタリティーがありました。まさしく鍛えがいのある選手だというイメージを強くもちました。
 できれば天皇杯の決勝にも強化指定の選手として参加してもらいたかったのですが、残念ながら強化指定選手はJリーグの試合にしかプレーできないので、それは叶いませんでしたが、近い将来、山形の中心選手として、(元日本代表の父・高木啄也氏とともに)2世代にわたっての日本代表選手になる。そういう目標をもってプロの第1歩を、山形でスタートしてほしいと思っています。


■伊東純也選手コメント


 入団にあたっての抱負は、1年目から試合に絡んでチームの勝利に貢献できるよう、結果で表していきたいと思います。

■高木利弥選手コメント


 この大学4年間で支えてくださった家族や仲間、スタッフのみなさんへの感謝の気持ちを忘れずに、少しでも早くピッチのうえでチームの勝利のために努力できることを願って、がんばりたいと思います。

■質疑応答


――伊東選手に、“結果”を出したいという具体的な数字があればお願いします。高木選手も、DFとして具体的に何試合くらいに出たいかあれば。また両選手に、いつくらいからプロを目指したのか教えてください。

伊東 得点数は具体的には決めていませんが、試合に出て得点に絡めるよう、まずは試合に出ることを目標にしたいと思います。プロを意識した時期についてですが、高校時代のときは、よくて神奈川の(高校選手権やインターハイの)県予選で32チームのところくらいまで進めさなかったので、プロになれるとは考えていませんでした。それが大学に入って、関東選抜や全日本選抜に選ばれたことで、プロを意識するようになりました。そこから絶対に、プロになってやろうと考えるようになりました。

高木 僕は大学でも選抜に入っていなかったので、正直プロというのは遠い存在だと思っていました。ただ、4年になって関東リーグが始まったタイミングで山形さんからお声をかけていただいてから「プロになれるんだ」と思い、一生懸命プロになれるよう、努力するようにしました。山形で、具体的に何試合出るという数字は考えていませんが、1日でも早くJのピッチにたてるように、1日1日を大切にしてがんばりたいです。

――ふたりに、憧れのサッカー選手は誰か、その理由。もしくはその質問はナンセンスという異論があれば(笑)。

伊東 目標の選手はあまり考えたことはありませんが、神奈川大学から甲府にいった佐々木翔選手。守備の選手ですが、チームの主軸になっているので、佐々木選手のようになれるよう、佐々木選手を目標としてがんばっていきたいと思っています。

高木 僕も憧れというよりは、中学時代のチームの先輩でもあった山形の宮阪政樹選手が目標です。宮阪選手は大学を卒業した1年目から試合に絡んで、チームの中心選手として活躍していたので、宮阪選手を目指してがんばりたいと思います。

――高木選手に質問です。親子二代の日本代表をファンは期待しているのではないかと思いますが、プロ入りに当たってお父様からのアドバイスは?

高木 アドバイスらしいものはありませんでしたが、プロの世界に入るということは、学生スポーツとは違うので、覚悟したほうがいい、とは言われました。

――お父様には「アジアの大砲」というニックネームがありました。ご自身は、なんと呼ばれたいという希望はありますか?

高木 どう呼ばれたいというような希望はないのですが、アジアという地域を代表するニックネームをつけられたことはすごいことだと思っています。だから、将来的にそういうニックネームをつけてもらえたらうれしいと思います。

――来期はJ1で直接マッチアップする可能性もあると思うのですが、意気込みを。

伊東 利弥と戦うことになったら、絶対に負けたくないですし、(高木選手を)抜ける自信も全然あるので(笑)。負けないようにがんんばります。高木 自分も負けたくないんですし、大学4年間で純也の特徴は理解しているつもりなので、弱点をついて、負けないようにがんばりたいです。

――大学生活4年間でいちばん印象に残っていること、そして各進路先のチームへの印象を教えてください。

高木 大学4年間では、4年生の時の最終節で1部昇格を決めた試合がいちばん印象に遺っています。いちばん、チームとしてひとつになれた試合だと思っています。山形は練習参加したさいも選手みなさんが明るく接してくれたので、自分もプレーがしやすかったです。来年もその優しい選手たちの中で、自分の味というか、自分の特徴を出せると思うので、しっかりやっていきたいと思います。

――山形のプレーオフの試合や天皇杯決勝の感想は?

高木 山形県全体の力を感じました。素晴らしいクラブだと思いました。

伊東 自分も、最終節の関東学院大戦が、大学生活でいちばん印象に残っています。自分で得点も決められたし、勝てたチームを1部に昇格にさせることができました。甲府についての印象は、練習に参加したときに、佐々木選手という先輩がいたこともあって、入りやすく、自分のやりやすいようにできました。試合でも、チームのやりたいことと、自分のやりたいことと似ていたので、そういう面でも自分に合っているチームだと思いました。

――自分で思う、自分のストロングポイントは?

伊東 自分はスピードが特徴で、前への仕掛けだったら自信をもっています。そこはプロでもやっていけると思うので、そういうところを出していけたらいいなと思います。

高木 自分は攻撃参加、積極的なオーバーラップのできるサイドバックだと思っています。その攻撃参加の中でも、シュートまでやりきる部分を見てもらえればと思います。



※なお、大学サッカー公認マネージャー、JUFA GIRL facebookでは、神奈川大学担当マネージャー、ゆうゆが記者会見の裏側を両選手に直撃しています。よろしければ、そちらもあわせてご覧ください。