看護師をしていますが、わたしは自分が診断されるまでこの病名を聞いたことがありませんでした。
看護師になって3年目。
プリセプターという新人指導の係を任されました。
これがきっかけでした。
それまでわたしが勤務している病院では、就職して2年経つと3年目になる年の3月に他の病棟に異動することになっていました。
それがわたしが3年目になる年、病院がプリセプター制度という、新人指導を新人より少し年上の先輩が行う制度を取り入れました。
その年に自分の病棟に入社してくる新卒の看護師は1人。わたしの同期はわたしを含めて3人。この中の1人が残って新人指導をし、残り2人はこれまでのルール通り他の病棟に異動。
誰が異動して誰が残るのか、師長がなかなか決めないため、2月は毎日緊張していました。
そして、自分が新人指導の係をすることになった時、同期は異動し成長できるチャンスを得たのに、自分は残るのか、そしてよくわからない係をするのか、と目の前が真っ暗になったのを覚えています。
3月。
同期は他の病棟に異動していきました。
わたしは残って新人指導の資料を作りました。
アドバイスを受けようと思い、少し年上の先輩に尋ねましたが「大抜擢されたんだから自分で頑張りなさい」と言われ、年配の先輩に尋ねると「新しい制度のことはよくわからないからあなたの好きなようにしたら?」と言われ、誰も助けてくれないのかと辛かったです。
4月。
新人指導が始まりました。
新人のミスは自分のミス。
新人の覚えが悪ければ、自分の教え方が悪い。
予定通りに新人指導が進まないことにも焦っていましたが、3月の体験から、誰に相談したらいいのかわかりませんでした。
5月に入った頃から、自分はいつ寝てるのか、よくわからなくなっていました。
食事をしても味がわからなくなっていました。
ただ、毎日チョコレートと缶チューハイを口にしていました。
チョコレートで栄養を摂って、お酒で寝る。
そんな生活になっていました。
6月頃には職場で「顔色が悪い」と指摘されるようになりました。
とはいえ、自分にその自覚がないので、先輩たちは何を言ってるんだろう、くらいにしか思えませんでした。
7月。
師長に「とりあえず心療内科を受診しよう」と言われ、師長が勧める心療内科を受診しました。
そこで「鬱病」と診断され、大量の抗鬱剤と眠剤が処方されました。
毎週心療内科を受診し、大量の薬を処方され、これで何が変わるんだろう?と思いながら薬を飲んでいました。
職場では、心療内科に通院して治療を受けてるから仕事はできるよね?と、自分の仕事が減るわけでもなく、新人指導の係をおろしてもらえるわけでもありませんでした。
10月。
毎週心療内科を受診し、薬も飲んでるのに、7月から体調が何も変わらない。
それどころか症状は悪化していたように思います。
出勤すると、とにかく嘔吐。
夜は眠れない。
きちんと通院して、言われた通りに薬も飲んでるのに、これは何なんだ?とイライラしてみたり、わたしなんかこの世に必要なくなったんだ、と落ち込んでみたりと、気分の浮き沈みが激しくなっていました。
そんなある日。
わたしの様子が気になる、という医師に「今のあなたを助けたい。ちょっと遠い所なんだけど、このクリニックに行ってみない?もしかしたら良いアドバイスを受けられるかもしれないよ」と心療内科を紹介してくれました。
後で聞けば、その心療内科は予約を取るのも難しいくらい、人気がある心療内科だったそうです。医師がしっかり治療したいので、あまり患者さんを取らないんだとか。が、わたしは自分の職場の親切な医師のおかげであっさり受診することができました。
医師に紹介されたクリニックに初めて受診した日。
30分以上は医師とお話しをしたと思います。
家族構成とか学歴とか。
体調については紹介状に書かれていたのでしょうか?あまり聞かれませんでした。
とにかく世間話をしていたと思います。
お話しをして最後に言われたのが「これまで鬱病でもないのに、こんなにいっぱい抗鬱剤を飲んできつかったね。あなたは鬱病ではありません。気分変調症という、ちょっと聞き慣れない病気です。抗鬱剤では治らないんです。鬱病ではないから、抗鬱剤を飲んだら体がきつくなるんです。それを3か月もよく頑張ったね。
今日からきちんと治療しようね」
あぁ、わたし鬱病じゃなかったのか。
薬をきちんと飲んでも体調が良くならなかったのは、体調と薬が合ってなかったのか。
わたしが怠けていたわけでもないのか。
…と、安心しました。
と同時にセカンドオピニオンの大切さを学びました。
この日からわたしは気分変調症とお付き合いすることになりました。