1月19日(日曜日)晴れ
朝から福田恒存の『人間・この劇的なるもの』を読み始め、北京の空港、大阪への飛行機の中、関西空港からの電車の中と読み続け、読了した。よく理解できないところもあったが、やはり好きな本だ。
北京の空港へ向かうタクシーで、運転手が途中、眠いのでタバコを吸ってもよいかと訊いてからタバコを一本吸った。吸い終わっても彼が居眠りしないか気になってしかたなかった。
16時5分発のCA161で帰国。機内は思っていたより空いており隣は空席だった。順調に22時過ぎに吹田の家に着く。
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1月20日(月曜日)晴れ
『万寿寺』を2ページ分翻訳。
テレビで国会中継を観ていたら、茂木外務大臣が「包容力のある」という言葉を使っていた。習近平はよく「包容的」という言葉を使うが、これは「包容力のある」というふうに翻訳できるのではないだろうか。
1月21日(火曜日)晴れ
午前、眼科に行きチェック。緑内障抑制の眼薬を出してもらう。昨年つくった遠近両用眼鏡を最近使っていないが、遠方を見る場合はその眼鏡のほうがよく見えるはずだと言われた。
『万寿寺』を2ページ分翻訳。
1月22日(水曜日)晴れ後曇り
吹田市民病院に行き健康診断を受ける。コレステロールは薬を飲んでいるので基準値内に入っているが、血清アミラーゼ値が異常に高い。原因を訊いたが、医者は原因不明でしばらく観察するとのこと。
病院は老人ばかり。人は歳をとると何かしらの病気になるものだと改めて思う。身体だけではなく精神も病気になるのだろうな。
今日も『万寿寺』をなんとか2ページ分翻訳した。
ちょっと風邪気味。
1月23日(木曜日)雨後曇り
昼、梅田で上海時代の友人二人と会い、神戸屋で食事。会社を退職した後、一人は上海の日本語学校で教え、一人は同志社大学で教えている。
食事前に紀伊国屋でミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』『不滅』『笑いと忘却の書』(以上集英社文庫)、目加田誠の『詩経』(講談社学術文庫)、『史記列伝一』(岩波文庫)購入。
『万寿寺』を2ページ分翻訳。うまく訳せない。
風邪気味。
1月24日(金曜日)曇り
今日はもともと大阪市立美術館に中川コレクションを観に行こうと思っていたのだが、風邪気味で咳も出だしたので、家で『万寿寺』の翻訳を3ページ分やった。
この歳になって翻訳を始めても晩いのだが、なんとか老骨に鞭打ってやっていきたい。
武漢市の肺炎はますます深刻な状況になってきた。中国は春節気分が大いに削がれているに違いない。
1月25日(土曜日)晴れ
今日は春節。
朝、家内と一緒にダウンジャケットを買いにいった。シーズンが終わろうとしているのでかなり値引きされている。
午後は天王寺の大阪市立美術館に行った。北魏の石仏を中心とした山口コレクションが展示されているのかと思ったが、展示されておらずがっかり。
明器の小規模なコレクション展があって、一点一点ゆっくりと観ることができた。特に南北朝時代・北魏の加彩「官人」の俑は扁平な北魏の特色が出ており、ふくよかな顔に浮かんだ微笑み、少しゆがめた唇が面白かった。
また前漢時代の加彩「女子」の陶俑の目を細めうつむいた姿が愛らしかった。これは山口コレクションらしい。
中国の博物館のように自由に写真が撮れないのが残念だったが目に焼きつけることも大事だろう。
美術館のエントランスにあった統一新羅時代の「花崗岩仏立像」は優しく穏やかな感じでぼくの好みの仏像の範疇に入る。これは写真を撮ってもよいということだったので写真に収めた。
『万寿寺』を1ページ分だけ翻訳した。
風邪がちょっとひどくなってきた。薬のせいかトイレが近くてとても困った。
1月26日(日曜日)曇り
一歩も外出しなかった。依然として風邪気味。鼻水が出だした。
大相撲で幕尻の徳勝龍が優勝した。久しぶりに相撲が面白いと思った。隆景勝を応援していたのだが今場所は褒められるべき成績を残せなかった。
李明慧からウイチャットで安全のため北京に戻る日を延ばしたほうが良いのではないかとの連絡があった。息子さんの学校は春節休暇が延長されたとのこと。
『万寿寺』を2ページ分翻訳した。
1月27日(月曜日)雨
今日も一歩も外出しなかった。
中国のコロナウイルスによる新型肺炎の死者が八十人を超えたそうだ。
帰国の飛行機を2月1日に変更した。今年の春節休暇が2月2日まで延長されることを中国政府が発表し、わが社も2月3日からの出勤になる。
『万寿寺』を2ページ半翻訳した。まだこの小説の面白さがわからない。
1月28日(火曜日)晴れ
運動不足でもあり、晴れてもいたので、梅田の古本屋に行って文庫本を三冊買った。安良岡康作『方丈記全訳注』、鎌田茂雄『仏教の来た道』(以上、講談社学術文庫)、江藤淳の『閉ざれた言語空間』(文春文庫)。
夜何度もトイレに起きるせいか、寝不足で昼間眠くてしかたなかった。それで『万寿寺』は1ページ分しか翻訳できなかった。
1月29日(水曜日)曇り
午後、吹田駅近くのBOOK・OFFに行った。このBOOK・OFFは初めて行ったが、品ぞろえがよくない。西村公朝の『仏像は語る』、井上靖の『天平の甍』(以上、新潮文庫)、今道友信の『愛について』(中公文庫)、大岡昇平の『ながい旅』(角川文庫)、吉本隆明の『初期ノート』(光文社文庫)を買った。
夕方体温を測ったら38度ありびっくり。咳をするようになった。
『万寿寺』を2ページ半翻訳した。
1月30日(木曜日)晴れ
朝近くの診療所に行き診察を受け、風邪薬を買う。昼も夜も薬を飲んだがむしろ悪化した感じ。夜体温を測ったら37度だった。
1日の北京便が夕方から早朝の便に変更になる通知が届いた。
李主任にウイチャットで連絡し、1日に北京に戻っても二週間は自宅待機していなければならないことが判明し、また大阪で仕事することも認められたので、北京に戻るのを再度延期することに決めた。
新型コロナウイルスによる肺炎の患者が増え続け、死者は170人を超えた。
一日中何もせず新型コロナウイルスに関する報道番組を観て過ごした。
1月31日(金曜日)晴れ
新型コロナウイルス感染症の患者が9000人を超え、死者も200人を超えた。WHOが「緊急事態」宣言を出した。北京市は各企業に2月9日までは自宅勤務とするようにとの通知を出した。
WHOの「緊急事態」の日本語と中国語の表現について、李主任とウイチャットで話し合う。
北京に戻る飛行機の便を2月8日に変更した。
『万寿寺』を2ページ分翻訳した。
咳は多少改善した。