優しくてあたたかいけれど、なんだか、とても切ない気持ちになる映画でした。
マックスがたどりついた遠い島にいたのは、七匹のかいじゅうたち。
リーダー格のキャロル、頼りになるダグラス、皮肉屋ジュディス、穴掘りアイラ、
みそっかすアレクサンダー、寡黙なザ・ブル、そしてK.W.。
彼らのキングになったマックスは、かいじゅうたちと楽しく満ち足りた日々を
過ごし始めるが・・・・・。
かいじゅうたちは、ただただ愉快に陽気に暮らしてる訳ではなくて、
仲間に気をつかって言葉を選んだり、時に自分を演じたりして、
小さなコミューンを快適にしようと努力してる。わたしたちと同じように。
彼らはみんな不器用で、人の痛みを知っているから優しい。
王様になったマックスはそこで我がもの顔に振舞うけれど、
かいじゅうたちと一緒にいることで、理解していく。
遊びで投げた石つぶてだって当たれば痛いし、相手は怪我をしちゃうこと。
自分の思い通りになる世界が、みんなの理想の世界ではないこと。
そして、自分は王様なんかじゃないこと。
太陽はいつか燃え尽きてしまう。
仲良くしたいだけなのに、どうしても上手くいかない。
何でもかなう夢の場所なんてどこにもない。
でも大丈夫。心の底の遠い島には「かいじゅうたちのいるところ」が
いつでもあるから。
そこでは、みんなふかふかの毛皮で抱き合って眠る。
かいじゅうおどりを踊って、沈み行く夕日を眺める。
そして、「わお~~~~ん」って叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
かいじゅうたちを胸に抱き、小さなマックスは、
怖くて美しい大きな世界に、駆けていく。
とにかく、映像が素晴らしいです。詩的で美しく、とてもさびしい。
観ていて何度も胸がしめつけられました。
そして、ああ、音楽も素敵。ポップでフレッシュ。躍動感に満ちています。
かいじゅうたちは、みんな最高です。
私は特にヤギ顔のアレクサンダーが好きでした。
デープ・スベクターみたいなんですよ、仲間からの扱われ方。
ちょっとバカにされてるというか。でも、それを許す懐の深さを持ってる。
彼には、最高の見せ場があります。大好きなシーンです。
マックス君は、奇跡のようです。
この限られた8歳の時間をフィルムに閉じ込めてくれて、
映画に残してくれたことに感謝したい気持ちです。
きっと、これから先も、ことあるごとに思い出す。
そんな映画になりました。
