北海道旭川のモザイクタイル作家/講師
中村あきこです。
制作の時にラジオをポッドキャストで聞くことが多いです。
一番のお気に入りは中川家のラジオショーなのですが(^^)小泉今日子さんの番組を聴くことも多かったです。(今はもう終了してしまった)
書評をされていたこともあり
おそらく膨大な量の本を読んでいるであろう彼女。ポッドキャストでも、本にまつわる話題が多くて、興味深いです。
その中で、小泉今日子さんが舞台化した「ピエタ」という作品を前々から読んでみたくて
この度やっと読むことができました。
ゆっくり読者するのも久々だったなあ
ヴェネツィア、ヴィヴァルディの時代の物語。ピエタという孤児院が舞台です。
それぞれ違う身分、立場、生き方、考え方が違う10名ほどの女性が主な登場人物。
孤児として育てられた者は貴族を羨ましく思い、貴族の生まれの者はどんなに恵まれていてもどこか相手を羨んでいたり、
みな表面とは裏腹に、実はもやもやしたものを持って付き合っています。
しかし
本来なら分かりあえないと思われる者同士でも
相手の心の奥に持つ痛みや辛い過去、苦悩なんかが垣間見れた時に、少しずつ思いやれて優しくなれて、わかり合えるようになる。
そしてそれは確かな絆になっていく。
女同士って、難しい面ももちろんあるけれど、わかり合えて絆が生まれると
家族以上に頼りになって
お互いにかけがえのない存在になりうるものだと思います。
ピエタに出てくる女性たちも、
そんな優しい絆があったのではないかな。
女性が読むとぐっとくる作品だと思います。
ヴェネツィアが舞台なのだから
もっと街並みを想像させるような描写をするべきだ、これではヴェネツィアである意味がないのではないか、などの感想も見受けられたのですが
ヴェネツィアのカーニバルの期間に、どんな身分の者であっても仮面をつけて素性をばらさずに行動できるからこそ可能だったことや、
登場人物たちの心の機微の描写に、よりフォーカスをあてたかったのではないかな。
なんてぼんやりと思いました。
素敵な作品でした。
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