クライアントに初めて泣かれた日 | 優ちゃんの大冒険 in アメリカ

優ちゃんの大冒険 in アメリカ

サボテン王国(アリゾナ州フェニックス)に住む、妄想癖のあるママの子育て日記です。

2018年5月から期間限定でタイのバンコクへお引越し。忘備録を綴っています。テニス、写真(←お仕事)、うつわ、お花が好き。2021年7月、アリゾナ州へ本帰国。

規制緩和が始まってから



撮影の仕事が多くて忙しい、いい事よね



最近また写真を撮るのが楽しくて、重いけどプライベートでもカメラを持って出かけることが増えた



バンコクではニューボーン撮影やるつもりなくて、プロップをずいぶん置いてきちゃったんだけど



それをちょっと後悔するくらい依頼が多い



アメリカで高いセミナー料払ってニューボーン撮影の講習受けたから、それを無駄にしたくないっていう自分の思いもある



撮影時間と準備に時間がかかるから、この先続けるのかはやっぱりわからないけど



新生児と触れ合えるのが嬉しいドキドキ



おっぱい出そう 爆笑



でね



ちょっと前にやったニューボーン撮影



ニューボーンというか、赤ちゃんは既に1ヶ月



生後2週間を過ぎると、新生児は周りに敏感になってすぐに泣いてしまうし、お肉が付いてくるとニューボーンフォトでよく見るポーズも難しくなってくる



そういった写真を残したいという希望のメールが、今回のクライアントから来て



(もう少し早く連絡もらえたら良かったなうーん)と思いながら



ベストは尽くすが、赤ちゃんソロのポーズは難しいかもしれない、と伝えてそれでもトライしたいと言うので伺う事に



好きなイメージを聞いて、私がプロップを選び、いつも通り撮影の流れとイメージを描きながら到着



やっぱり赤ちゃんはなかなか寝ない、おしゃぶりはせず、お母さんのおっぱいが1番落ち着くようで離すとすぐに泣いてしまう



1枚も写真が撮れないまま、やっと2時間後に疲れて深く寝てくれた



リスクは取らず、うつ伏せなどのポーズはやめて仰向けの状態で何枚か



何枚か撮ってる横で



「赤ちゃんと一緒に写真におさめてほしい物がある」



とお願いされて、なんだろうと思ったら



彼女のお父さん(赤ちゃんのおじいちゃん)のTシャツ



「こればっかり着ていたの」



と聞き、ああ亡くなっているんだと思い、I’m sorryと言う



このTシャツ、生前気に入って着古していただけあるから、フォトジェニックではなく



私が用意してたプロップとあまりにもイメージがかけ離れてて



床に敷いて上から撮ったら、平らな側面に変なシワがが出るし赤ちゃんが絶対起きる



あああ、どうしよう



と思ったけど



よし、どうせくたっとしてる素材をそのまま生かせばいい



何とかなった、自分よくやった
これを撮影してる後ろで、ママさんが泣いてて



「どうもありがとう、私にとってすごく特別なの」と話してきた



赤ちゃんに会いにアメリカからやってくるはずだった彼女のお父さん



コロナでフライトを延期した直後、病気が発覚しあっという間になくなってしまったそう



ニューボーンの撮影をすぐに予約出来なかったのは、出産後すぐにお父さんが亡くなったからだろう



むしろ、赤ちゃんに会えなかったお父さんとの思い出を残すために撮影したかったのかもしれない



「お父さんね、私がいつもこの同じTシャツ着てるのを嫌がってるのを知ってて、タイにこれを持ってきてワザと毎日着てやるって言ってたのよ。



それなのに死んじゃうなんて」



嗚咽が止まらないくらいになってしまい、ご主人に違う部屋に連れて行かれる



私もダメだったー。涙が止まらなくて



帰るとき



「あの写真、ポスターみたいに大きくして赤ちゃんの部屋に飾る、本当にどうもありがとう。



ハグしていい?」



とこのご時世だけど、ギュッと抱き締められた



この仕事やってて良かった 涙



お父さんに会いたくなったー



大事な家族に会いたい



当たり前じゃないよね



皆さまいい週末をお過ごしください!



私はまた(また?)顔にタトゥーしたのでポーン



大人しく過ごす予定です。



また報告します。