その後、月に2回が週1回のペースになり、ゴジラはヤゴと夕食をともにする。
毎晩、味もそっけもないコンビニのお弁当を、ひとり寂しく食べるヤゴに同情した。その分、テレクラのさくらという大切な収入源は減るが、ゴジラちゃんにはそっちの方が大事だった。
ヤゴとの夕食の後は毎回終電ギリギリで帰り、体はなぜかヘトヘトだった。話題もなく、話しててちっとも楽しくないヤゴとの時間は、ゴジラちゃんのお笑い劇場と化していたからだ。
ヤゴに何とか元気になって、妻の看病を頑張ってほしい、その気持ちが強すぎた。ヤゴは始終笑いこけてくれたしな。
ヤゴ……チミはどうみても女にもてるとは思えない。こう言っちゃなんだが、最ももてない部類だろう。いや、もてないどころか、目の端にすら入れてもらえないのかもしれない……。でも、こうして今、ゴジラちゃんがチミを目のまん真ん中にいれているではないか! 少々きついぞ、オヌシ……。
ヤゴ……、ましてチミは、トンボになって空を悠々と飛ぶこともできない。しかし、たくさんの卵の中、ふ化ができ、弱肉強食の中、襲ってくる外敵から何とか逃れ、立派にヤゴとして、いま生きているではないか!
ヤゴ……、ヤゴ……、ヤゴ……、ああ~、もう嘘はつけない!
ヤゴ! なぜにチミは、そう悲壮感でいっぱいなのだ!
そう、ヤゴは伝染病のように悲壮感をばらまいていた。そこにヤゴがいるだけで、なぜか同情してしまう。なぜだ! その原因はなんなんだ!
ってなわけで、数ヶ月こんなことをやってたわけだ。で、ある日の夕刻……。場所はとある喫茶店で、それは起きた。
(つづく)