「退去命令が出てるってことはさ、ゴジラ、ヤゴの援助がなくなったってこと?」
「そだよ」
「なんで?」
「断ったから」
「だって、もう何度断っても、続いてたじゃん!」
「ヤゴが病気と知ったからだよ。分かった以上、続けるわけにはいかない」
「でも、ヤゴ、納得したんだ……」
「しない、時間かかった」
「その間、どうだったの?」
「家に押しかけてきたり、お金握りしめてきたり、泣いてみたり……、ゴジラはヤゴのカウンセラーやってた」
「で?」
「病院いきなって言ったよ」
「で?」
「一緒に病院行ってくれって言われた」
「で?」
「病院探したよ、だけど、土壇場になってヤゴは行かないって言ったよ。で、ゴジラの役目は終わった、さようならって、言った」
「援助したいって、言うんだから、援助してもらい続ければよかったじゃ~ん!」
「やだね。体が腐っても、心は錦さ!」
「今、ヤゴ、どうしてんの?」
「ゴジラいじめが始まってる」
「どんな?」
「被害者2000万円の会からのメールが押し寄せてきてる。いい人だって豪語してたのが、ひどい奴になってるよ。それも病気の症状だ」
「げ~、どうすんの?」
「どうも?」
「でも……2000万でしょ……」
「2000万なんてはずないだろがぁ! そうなら今頃、ちっちゃいマンション買ってるぜ!」
ヤゴは週に3,4回はピンクサロンっていうんですか? お姉さまが裸でご奉仕くださる場所に足しげく通ってらっしゃった。 (これも、病気の症状です)
そこで、100万円、200万と、お姉さまにプレゼントされていた。 (これも、病気の症状です)
他にもあげれば切がない。それを、全部ゴジラちゃんにくっつけている。 (これも病気の症状です)
いや、正確には金額の問題でない。100円だろうが、5000万だろうが、1億だろうが同じだ。問題なのは深い闇の底で、なにを思い、どういられるかだ。その時こそ、自分という生き物の正体を見破れるチャンスである。
ゴジラの場合、えせ霊能者のおかげで、自分がゴジラだということを知った。サンキューえせ!
しかし、ヤゴはもっともそれが苦手、なぜならそういう病気だからだ。
境界性人格障害……、常に心が空虚であり、自分という存在価値を探しもとめる。人より、どこか秀でていなければ人に認めてもらえない、自分の存在価値がないと思っている。
世の中、完全な人間などいない、それにそんな奴面白くもない。世の中みな病気なのだ。
ゴジラもかなりの重症患者だ。
真剣に向き合った相手には正直に反応してしまう。それがエスカレートし、相手の開けてほしくない蓋を思いっきりあけてしまう。そういう奴に限って、蓋を何重にもかぶせてやがる。しかも、心の底では蓋を開けたがってもらっている。よくいう、魂の叫びってやつだな。
思いっきり生きることは、素晴らしいことだ! ゴジラはそうやって生きていきたい。だから、そんな人をみると嬉しいんだ。しかし……、思いっきり生きた先に待ってるのは思いっきりに見合ったものである。人はそれを成功とか、失敗とかいうが、そんなもの、何と比べて判断するのだ。他人や世の中と比べてどうすんの? アータ、だれのために生きてんの?
ヤゴ……、チミはゴジラちゃんの、カツラを被ってるのに、なおも気ぐるみを被ろうとする姿になにを見たのか! ゴジラに援助することで、自分の存在価値を実感できるチャンス到来! とでも思ったのか。自分がスーパーマンになって、認めてもらえる相手を見つけた! と思ったのか。
ヤゴ……、チミは甘かった。ゴジラがもし人間なら、アンタが一番! よっ、ゴジラのスーパーマン! とチミを賛美しながら、背中をむけ、越後屋のオヤジのように小判をかじり、ニンマリとやったかもしれない……。
しかし……、チミが精神分裂症なら、ゴジラは珍獣、相手が悪かった。ゴジラにとってスーパーマンも金もなんの魅力もないのだよ! (TOTO買ったり、宝くじ買ったりしてるくせに。あっ、今だけ今だけ!)
ゴジラが欲してやまないのはね、世界のひとたちの笑顔と、ゴジラの運命の人。そ・れ・だ・け。
かぁ~! くさ! ランキング、落ちるな。
次は、ヤゴとゴジラの出会いを書いてみることにした。今日のブログみたいに説教くさくないから、楽しみにしててね~!
〈今日の報告事項〉
不動産から、退去日はいつか? との連絡あり。
ヤゴから、15通のメールあり。どれも「被害者2000万円の会」からの暴言集。
部屋の中、もっか漏電中。
ゴン、火傷の治療中。
モップ犬、生贄後、心臓マッサージにより生き返る。
以上。