ゴジラちゃんの頭の髪の毛、きれいさっぱり抜けた。
あれは二年前だった。
40度の熱が一週間つづき……、顔も体もパンパンに膨れて……
救急病院ではお医者さんに見放され…… (病名は分からなかったわ……)
自然放熱で熱は下がり、その二ヶ月後、髪の毛が抜け散った……。
それはそれは 不思議な物語……。
あの時のこと 今でも覚えてる……。
そうあの頃、ゴジラちゃんは大がかりな企画のプレゼン途中だった。
大手商社の副社長
と会ったの。
麻布の 「カッシータ」 で まちあわせ♪
病み上がりから、一か月経っていた。
ひさしぶりの外出だし、お初にお目にかかるわけだし
お洒落して、出かけたわ……。
お店のかわいいイケメンたちが
「いらっしゃいませ」 と一斉に迎えてくれた。
ゴジラちゃん、きれいだったみたい……
先に着いてた仕事仲間の女ともだちが
「うまく化けたわね……」 と言ったもの。
そう……、ゴジラちゃん、禿チョビンの前頭部をシニオンにして上手く隠したの。
シニオン・・・・・・それは右と左から毛を上にもってきてぇ、真中でお団子のようにぃ、ふわっとボリュームを出す髪型よん。
前頭部のそこだけ、髪がごっそり抜けちゃったんですもの。ウフフ……
テーブルを女ともだちと副社長の三人で囲んだわ。
副社長は、ゴジラちゃんを艶めかしい視線で見つめてた……。
あの目つき・・・・・、ちょっと エッチ
だった……。
赤ワインをたくさん飲んだの。 久しぶりだった。
ゴジラちゃん、たくさんお話をしたわ。ゴジラちゃんね、話すとき、身振り手振りが人より激しいの。
ついでに頭も揺れていた……。
店のダウンライトのステンレスに、やさしくほほ笑むゴジラちゃんが映っていたわ。
きれいだった……。
女ともだちがなんか言っているような気がしたの。
一生懸命、目で訴えているようだった。
副社長はゴジラちゃんの美しさに、今度は目を見開いていたわ。
恥ずかしかった・・・・・![]()
最近、こんなこと……なかったもの。
ゴジラちゃん、女神のように微笑んであげたの。
でも、それだけじゃ満足できなかったみたい……。
まだ目を見開いているの。
女ともだちは、なぜか視線を上に上に、しつこく繰り返すの……。
ダウンライトのステンレスには、また女神のような美女がほほ笑んで……。
ええ~!?
土佐犬じゃん!
シニオンがぁ、シニオンが真中からぁ、真っ二つに割れてぇ、その間から芝生のようなぁ、髪の毛がぁ、飛びでてた。
これって・・・・・・タワシ? ワタシ?
生きてるって……こういうことなのね……。
再生なのね~♪
いやいや~ん! 見ないでぇ~!!!
リーヴ21の社長
「オーマイガッ!」
ゴジラちゃん
「キャン!」
リーヴ21の社長
「すすすすばらしい! 芸術だぁ~!」
ゴジラちゃん
「えっ?」
リーヴ21の社長
「私は長い間、人間の髪の毛の研究に携わってまいりました。でも、もう普通の髪の毛には飽きてしまってたんです!」
ゴジラちゃん
「なるほど。だから最近のコマーシャルで、トサカみたいな髪型や (アレ、意味わかんないけど……) はたまた腕から髪の毛生やしちゃったりしてるんですね。 (アレ 気持ち悪いんですけど……)」 (それ、違う会社のCMだよ、ゴジラちゃん!)
リーヴ21の社長
「はい、そうです。(社長のくせに気づいてない!) でも貴女のは今までに見たことがない! そして 美しい……」 (どどどどこが?)
ゴジラちゃん
「ハッ! (おっ、どうした?) け、結婚 できますよ!」 (早っ!)
リーヴ21の社長
「○△×□○△×□◎▽×□○×……」
でもね、ゴジラちゃん、平静を保ったの。それは見事だったわ。
「自信ありげなやつを前に 自らを疑う」
これにかけたわけ。
そしたら副社長の目が、素早い動きでゴジラちゃんの前頭部をチラ見するの。
ちょうど、電車の中でカツラのおじさんを、突然発見してしまった時みたいな感じ。
確かめたいのね~♪♪ あなた~♪ 私の頭を~♪
私にバレないようにぃ♪ しているつもりねぇ~♪♪
そんなにぃ♪ 気をつかってくれるなら~♪
カツラ 買ってぇ~♪♪