私のお腹には傷がある。

娘が産まれてきたときにできたもの。





妊婦検診は特に問題はなかった。

いつも、ちょっと赤ちゃんが小さめだと言われていたけど、

異常はなく、毎日元気に動いていた。



予定日の1週間前の夜中、よくわからない腹痛に襲われた。

その痛みがなんなのか、初めての私にはわからなかった。

そのうち自分で動くことができないほど、痛みは強くなった。

旦那が病院に電話をして状況を説明すると、すぐ病院に来てほしいとのことだった。

旦那に抱えられながらなんとか車に乗り、私たちは病院へ向かった。



病院に着き、ベッドに寝かせられて何分も経たないうちに、

手術をすることになった。

私は声を出さなければいられない程の痛みに耐えながら、

手術に同意した・・・んだと思う。

正直よく覚えてない。


背中と腕に麻酔をされて、それからは意識が朦朧としていた。

気が付くと、先生が赤ちゃんをとりあげていた。

看護師さんが私の顔のすぐ横に赤ちゃんを連れてきた。

私はそこで赤ちゃんを見たはずだけど、それもよく覚えてない。





そんなこんなで、私の初めての出産は終わった。

ホントにつらかったのは実はこのあとなんだけど、

それはまた機会があったら・・・。










多くのママが経験する陣痛という産みの苦しみを味わえなかったこと、

娘を普通に産んであげられなかったこと、

少し悲しくなるときがある。


でも、私は弱い人間だから、

もしかしたらその苦しみに耐えられなかったんじゃないかと思う。

男は出産の痛みには耐えられないとかよく言うけど、

私もそうだったんじゃないのかな。

だから神様がどうにかして、お腹を切ってくれたんじゃないかって。






子供は親を選べないって言うけど、

本当はちゃんと自分で選んで産まれてくるらしい。

空から眺めて、この人のところに産まれようって。


こんなの大人の勝手な妄想かもしれないけど、

もし本当なら、すごく素敵なことだと思う。








たぶん一生消えない傷。

この子がもうちょっと大きくなったら、

産まれてきてくれたときのこと、話してあげたい。