それは、午後6時ちょっと前の事だった。
「ん? なんか揺れたな」
結構大きめの地震に感じたので、テレビを付けてNHKに廻した。
しばらくして地震情報が流れた。ビックリした。新潟の中越が震源で、松之山辺りでは震度6くらいの強い地震だったらしい。
慌てて実家に電話してみたら、アクセスが集中していたようで、電話が繋がらない。何度か試しているうちに、偶然繋がったのに、今度は呼び出し音が流れるばかりで、向こうで受話器を取る気配がない。何となく不安な雲が心中を流れ始めたが、気持ちを落ち着かせて、再度何度か電話をかけてみた。繋がった。親父が出た。「おー。ユージか。こっちは別に大丈夫だぞ」その、拍子抜けするくらいのノンビリした声に、思わず安堵の息が漏れた。その後お袋が電話に出て、「びっくりして、今外に出ていたとこだ。停電してるけど、怪我はないから大丈夫」とのこと。実家の作りからして、物が落ちて来たり、家が崩れたりする事はよほどの事がないと起こらないと思っているので、その点では安心しているが、あとは、慌てて足をくじいたり、屋根の上の瓦などが落下してそれに当たって怪我をするかもしれない、ということくらい。まあ、とりあえず、無事で良かった。