発電はコストがかかる。 | JTT海外展開のブログ

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JTTは鉄鋼製品や機械を輸出する商社です。また海外進出する企業を支援する事業も行っています。社長の相田和宏は25年以上にわたり、中国、ベトナム、韓国、インド、ミャンマー等の企業と人と関わってきました。その異文化交流のエピソードや苦労話や最新情報をお伝えします。

インドで例年のように大洪水が起きている。約600以上が死亡して、1万人以上が行方不明である。3年前アッサム州でも、洪水対策の河川工事を行うために、インドの河川を見たが、ほとんどが両岸に石を積んでいるだけの簡単なもの。堤防になっていない。これでは洪水が起きたら、一発で付近の村ごと流してしまう。


新興国でなく、先進国でも同じことが起こっている。今年はカナダでも大被害が発生、欧州でも中欧のドナウ川等が氾濫して、ドイツやチェコで被害が起きている。いつものことだが、各地で異常気象が頻発している。何をどう治水しても、自然には勝てないということだ。


この世界各地で起きている災害の原因は、地球温暖化が原因と報じられている。確かに、二酸化炭素排出削減の京都会議での決議も、当時取り決めを守ると約束した日本ですら守れなくなっている。米中は参加すらしていない。


地球環境を守ると宣言している欧州も、ドイツを筆頭に、原発稼働を止めて、石炭発電を増やしている。原発と火力では、公害の大きさが違いと考えているのだろうか?でも結局は同じである。


でもガスや石炭、水力という従来型の発電方式に戻ってよいのだろうか?再利用可能エネルギーはメイン発電にはなれない。


太陽光発電も発電効率が20%程度ととても悪く、欧州や米国では政府の補助金が打ち切りになり、発電の主流ではなくなっている。


太陽光を相変わらず積極的に進めているのは、日本と中東だけである。しかし、太陽光パネルは寿命は、20年と言われているが、中国製が大幅に増加した現在、効率的な発電のパネル寿命は、10年ないであろう。寿命を長く見るのは幻想である。


今から10年後に、日本各地に設置した大量の太陽光パネルがゴミとして出てくる。中にはカドミウムが入っているものもあり、廃棄自体に問題をおこす。現在この問題を真剣に検討しているところは少ない。原発の時とまったく同じだ。現在の輝かしい事例しか見せず、未来の問題にはフタをしている。


パネル処理には、廃棄とリサイクルがある。廃棄は大量にでたシリコンパネルをどこに埋めるのかという問題がある。フィルムも中に入っているので、リサイクルした場合、とてつもないコストになり、再利用した場合の費用が跳ね上がる。いずれ社会問題となると推測している。


どうして人間というものは、目先の問題に集中して、最終的な問題を後回しにするのであろう。


現在でも太陽光発電の買取額は、1KW当たり38-42円。他国の2倍以上で買い取っている。これだから中韓の企業が日本に投資して、日本の税金を奪っていく。来年は、この買取価格を20円まで下げないと、消費税以上に家計をひっ迫する問題を引き起こす。


電気代は企業や家庭で負担している。また原発が稼働をし始めたら、当面は電気があまってしまう。

お隣韓国は逆に、9基の原発は停止中。今年の夏は電気が足りない。またブラックアウトする可能性が高い。これは偽造部品を使っていたという問題。さらに問題は広がり、当面原発の大半が動かなくなる。

旭化成や住友化学等現地に新工場を建てた企業は、大変な問題を抱えることになっている。


最近、火力・水力が増えると地球環境を悪化させるので、クリーンエネルギーの原発に戻ろうと言っている機関がある。これはおかしな議論だ。


原発は、1基約5000億円。現在世界に約450基ある。日本は54基。自治体への交付金は、運転開始前から50年間1400億円の交付金を払っている。尋常なコストではない。


原発は1基あたり300万個超の部品からなる。周辺を含め廃炉にする場合、1基54万トンのゴミがでる。問題なのは圧力容器の部品や制御棒等の約100トン。これは再処理できないので、地中50M以上の地下に埋める必要がある。でも日本には処理場がない。


日本全体で全部を廃炉にした場合、約5400トンの処理できない放射能汚染ゴミが新たに棚ざらしになる。どうなるのか?

「原発廃止!」と叫ぶ前に、どのようにして処理をするのか、またどの程度費用が掛かるのか、」正確に計算しないとならない。何をしても負担は、私たちである。他国は助けてくれない。


米国では廃炉を約3-4億ドルでできるという。放射能ゴミも砂漠に埋めている。既に2基廃炉にしているからこれは正確な数字だ。


日本では廃炉にかかる費用は、1基最大800億円と政府は試算している。でもこの根拠は何のだろか?最終処分場もなく、圧力容器や制御棒は100年たっても放射能がなくならない。いったいどうするのか?

この点を明らかにしないで、費用をはじき出すのは変である。


政府の発表通り、全原発廃炉費用が4兆3200億円であれば、その費用は安い。でもこの計算も専門バカの原発機関がはじいた数字である。信じることはできない。


廃棄するにも代わりになる発電は現状ない。そのため最悪の結末にならないように、使い続けて新しい技術が誕生するのを待つしか現状は方法がない。残念ながら1基で、100万KWHも発電できる装置は原発しかない。


「電気をおこす」ということは、人類の生活の飛躍になった。これは「便利になった」という次元である。少なくともエジソンが出るまでは、地球に電気はなかった。それでも我々は生きてきたのだ。なるべく使わないようにすればよいのだ。


使わないと同時に、蓄電池技術を改良し、「超電動」を早く実現して電気ロスをなくし、電気を貯められるようにすることが今後ますます重要である。


電気がロスなしで送電できて、発電したものを放電なしで保管できるようになれば、世界は変わる。電気も問題は貯めることもできないのに、放電してなくなってしまうことだからだ。こちらの技術開発を急ぎ、地球が破壊される前に、何とかしないとならない。