若いだけに行動に制御が効かない、北朝鮮の金正恩の暴挙が続いている。
朴新大統領が就任する前から、韓国を軍事的に挑発。保護国中国の意向も無視して、核実験や軍事訓練を続けている。南北のホットラインも切ってしまったようだ。
韓国の高官に「騒ぐい犬ほど、かまない」と言われてしまった北朝鮮だが、最近の行動はちょっとおかしい。
何か裏にあるのではないか・・・
先週、韓国の取引先とずっと一緒だったが、北朝鮮の話題に触れたことがない。WBCでの韓国代表の一次リーグ敗退の件を飲み屋で話していた程度である。北の勝手な暴発は、韓国の一般市民には無視さている。
金正恩の祖父と、朴大統領の父親朴正煕元大統領は天敵だった。しかし、うらみは韓国の朴大統領の方があるはずである。金正恩がいきり立って、新大統領にわざわざ強硬姿勢を見せる必要はない。
確かに食料支援等、韓国に断られているだろうが、これは李明博前大統領の時も同じである。
軍事強化とは別に、米国のバスケのロッドマンを招待して、オバマ大統領にメッセージを伝える等、幼稚な外交が目立つ。単なるバスケ好きの若者の一面を見せてはいる。
日本でも故金正日の料理人を呼んで、何かメッセージを伝えたようだが、これも日本政府には無視されている。
今回の強気な態度には何か意図があるはずである。
朝鮮人気質では、見栄を張って、強いところを見せないと、国民がついてこない文化ではあるが、いささかやりすぎである。
金正恩は、米国と韓国に中国内の秘密口座もあぶりだされている。中国が国連決議を順守して、この秘密口座を凍結することは多分ない。表向きは凍結したことにして、裏で移動させるだろう。
私見だが、北朝鮮は本当に資金が枯渇しているのかもしれない。
昨年から石炭や銅も価格が大幅に落ちている。中国企業からもらう、この資源販売の見返りの資金もかなり減っていると予想できる。
韓国企業が北朝鮮で展開している工業団地も、今はどうなっているのか、よく分からない。
外貨獲得の手段は、ほとんどなくなっている。以前は麻薬や偽札製造を国家的に行っていたが、これも米国等に制御され、ドルをやめ中国元の偽札を作り始めたが、中国から怒られやめた経緯がある。
北朝鮮は、国土が荒廃しているため、自給自足ができない。食べ物は中国から輸入しないとならないが、その決裁資金も底をついているのだろう。
またイランやシリアという北朝鮮友好国への武器輸出も、経済封鎖や内戦で北朝鮮への支援ができなくなっている。ミャンマーは北朝鮮と手を切った。リビアのカダフィーも死亡した。現在、友好国もほとんどなくなっている。
日本は北朝鮮強硬派で、パチンコ大嫌いの安倍首相が再登板中。朝鮮総連もうまく資金を送れない。
今回は北朝鮮全体が暴発したのではなく、あくまで金正恩の個人行動だと予想している。権力者になり、現実を知った彼が自暴自棄になっているのか、あるいは単なるわがまま暴君なのか・・・。
だがこのまま一人で暴発と空回りを続けると、暗殺される。中国も米国も、北朝鮮の国民とその体制から、遊離した指導者は、危険でなくなっているので、暗殺する。
周りから見放されたバカ殿になっていたら、殺す絶好の機会なのだ。
オバマの命令で無人飛行機が彼の家に飛んでくるか、中国の特殊部隊に殺されるか・・・体制内に内通者が出れば、簡単に居場所が特定できる。
故金正日は、彼を殺害すると北朝鮮の国家体制が崩壊する可能性があったので、米国も中国も何もしなかったのである。
まああまり騒がないことだ。中国は「金正男」という金正日の長男という駒をもっている。金正恩を暗殺した後、膨大な資金支援と一緒に彼を次の指導者に据えることは可能である。もちろん、裏で米国、韓国、ロシアの首脳の了解を得た上であるが。
核実験を何度も行い、ミサイル開発を継続する国家を隣国として、大国中国とロシアが容認できるわけがない。いつ矛先が自分に向かうかもしれないのだから。
国際政治の世界は冷徹である。自国に害をなす国や人物は歴史上必ず抹殺されている。シリアのアサド大統領の次は、金正恩である可能性もある。