雅人「楽しかったか?」
靖幸「・・・楽しかったよ」
雅人「意地張るなよ」
靖幸「風立ちぬは、千と千尋の神隠しを越えたよ」
雅人「そんな事より、彼女の事は、忘れられたのか?」
靖幸「プロポーズしようと、思ってる」
雅人「お前、正気か?」
靖幸「本気で言ってる」
雅人「いくら何でも無理だろう。新しい彼氏、出来たばかりなんだろ?」
靖幸「向こうは付き合い始めたばかり、こっちには5年分の思い出がある」
雅人「そもそもお前、結婚願望なかっただろ」
靖幸「笑うなよ」
雅人「なんだよ」
靖幸「アイツと別れてから、ずっと怖いんだ」
雅人「何が?」
靖幸「アイツが部屋を出て行った時から、このまま一人で死んでいくと思ったら、映画見ても、美味い蕎麦食べても、怖くてしかたがない」