こういう緊急事態の時に、ちゃんと毎日、会社に通っていたのが功を奏する訳で、親戚の危篤だと言って、二人とも休みを取って、私と鈴美と息子の一義の三人で、飛行機で新千歳に行って、札幌に着いて、待ち合わせ場所の北海道大学のイチョウ並木のベンチに座った。

 彼女に会ったら、嬉しい結末となるのか、ツラい現実が待っているのか、もしかしたら、一発くらいビンタでもされるのだろうか?

 私の感情と思考は、ぐちゃぐちゃで、心臓の鼓動がはっきり聞こえていた。