鈴美さんが聞いて来たので、僕は答えた。

「確か、祖父が77歳、祖母が71歳です」

「私も、謝りたい」

 僕らの涙が止まらない中、父が聞いてきた。

「確か、名は、一義だったね。由来は?」

「母が、好きなミュージシャンの名前から、頂いたようです」

「たぶん、中村一義だよ。私と彼女が喋るようになったのは、二人とも金字塔というアルバムを、持っていたからなんだ。その後、中村一義は、100sというバンドを作り、なのもとに、という曲の中で、こう歌ってるんだ。君が初めて受け取ったもの。そうさ、みんなの「名前」だろう。素晴らしい、プレゼントだと、私は思います」

 それを聞いて、僕は、より泣いていた。

 鈴美さんも、より泣き出した。