僕はここで、僕なりに新田さんに、強く迫ってみた。

「そのあたりの事も、直接本人に聞きたいです。住所、ご存じですか?」

 新田さんは、腕組みして、なぜかニヤッと小さく笑って言った。

「私から、電話しよう。驚くだろうな、二人とも」

「家族が、あるんですね」

 僕は、どこかで見知らぬ父に対して、独身であってほしいと思っていたみたいで、正直、ちょっとショックだったし、それが意外だった。

「いや、結婚はしていないが、女性と同居してる」