と言っても、父の友達であって、父ではない。

 僕が、「父親に会いたい」と、母に打ち明け、そうしたら母は、収納ケースの奥の方から手帳を持って来て、何本か電話して繋がったのが新田さんで、新田さんの会社の近くの喫茶店で話す事になった。

 喫茶店には、先に新田さんが待っており、お互い自己紹介をして、二人とも、コーヒーを注文した。

 僕は、いきなり父の話をするのを躊躇して、とりあえず世間話として、自分の最近の話を始めた。