十日目。

 僕たちは、スクランブル交差点の目の前にある建物の中にある、コーヒーショップの中で朝を迎えた。

 いくら真夏で寒くないとはいえ、彼女を全裸のまま寝かしておくのに抵抗感があった。

 僕は、コーヒーショップの店員が使っていたとみられる更衣室のカーテンを引きちぎり、彼女の体にかけていた。

 目を覚ますきっかけは、ヘリの音だった。約束通り、迎えにきたのだ。

 僕たちは、すぐに服を着て、ヘリに向かった。

 スクランブル交差点の真ん中に着陸したヘリに向かって僕ら二人は、しっかりと手を繋いで歩いて行った。

 昨日の軍人に案内され、ヘリ内に入る。

 手は相変わらず、握られたまま。

 ヘリが、どこに向かうのかなど、今はどうでもよかった。

 同士を見つけたから。