「父が譲り受けた祖父の遺品の一つで、床の間に飾ってありました。貰ったものの、誰も刀剣の趣味が無いから処分しようかなんて話してたんですけど、この刀が無ければ、まずゾンビになってた。おじいちゃんが、守ってくれました」
「今、一人という事は、他の家族はゾンビに?」
「私は、仕事があるので家に残り、他の家族は偶然にも温泉旅行で、この街を離れています。無事であってほしい。竹田さんの、ご家族は?」
「私は、家で小説を書いていて、母は買い物に出ました。姉は仕事に。二人共、戻って来なかった」