新世界・小説版(5)「あなたは、ゾンビではないですよね?」「だいぶ前の事ですが、とある討論番組で泣かされました」 そうだ、僕はとある討論番組で、この国の歴史認識をめぐって、はっきりした意見の無い彼女に対して言葉で攻めて泣かす所まで行った、思い出した。「あの時は、少し言い過ぎました、すみません」 と言いながら僕は、軽く頭を下げた。「今まで、金属バットでゾンビたちを?」「そうです。生きてるのが奇跡でしょう?」