ルナ「一番最初に読んだのは、ベタですけど直木賞を受賞された、二つの世界でした。寺山さんが、直木賞を筆頭に賞を取った小説は大抵読むという話を聞いて、直木賞を取った作品くらい絶対に読むと決めたので、読ませて頂きました」
編集者「直木賞は一般的に、純文学ではなく、娯楽性は高いでしょうが、どうでしたか?」
ルナ「最初、二人の男が別々の視点から語る、宗教、国家、戦争って、大部分で現実にある話で身につまされるなと感じながら読みました。でも、それだけで終わらないのが、さすが霧山さんの凄い所で、あの二人が出会い、そして衝撃的なラスト、物語の構成の巧みさに感動すると同時に悲しみに襲われました」
はじめ「あれは明らかに、イスラエル、パレスチナを模していて、それを知っていると、より強く悲観するでしょうね。作品を見てもらえれば分かりますが、僕も答えは持っていない。でも、忘れてはいけない気がする。日本からは遠いですが」