積雪地の陸上自衛隊には雪上車が配備されている。
通称「大雪(だいせつ)」と呼ばれている。
大雪に対して軽雪と呼ばれるスノーモービルもある。
10式雪上車は、大原鉄工所が製造し陸上自衛隊が保有する雪上車である。
78式雪上車
これまで運用してきた78式雪上車の陳腐化が著しくなり、また、各部隊の編成もこれまでの班編制から分隊編成などへ移行となったために現有の車両では性能過大になりつつある事から諸元などの性能を見直し、新たに導入したのが本形式である。
2010年から徐々に78式を置き換えており、普通科・機甲科・特科などを部隊を主体に更新が始まっている。
従来導入されてきた78式雪上車を基本としつつもコンパクトかつ操縦性を向上させている。
従来の78式は変速機が5速MTであり近年入隊する隊員では操縦が難しくなってきた点が出てきた事、内部機器のほとんどを73式大型トラックと同様の物としていたが、73式が新型へ移行し部品の確保に関しての問題が発生してきた事もあり、変速機を4速ATに仕様変更し内部機器も民生品を活用する事で大幅なコスト削減に成功している。
また、操縦性能も大幅に向上しており、小回りの効く車体と操舵が容易にできるように運転席も大幅にリニューアルされている。
78式は、演習や災害派遣などで移動の際に大型トレーラーなどを活用しなければならず、師団等輸送隊や民間のトレーラー会社などの手配が必須であったが、10式雪上車は73式大型トラックに積載可能なサイズにまとめられており、長距離移動が容易になった点が利点として上げられる。