【元海上自衛隊幹部が語る】自衛隊戦えるか【兵站編】 | 戦車兵のブログ

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日本は昔から兵站軽視と言われ大東亜戦争ではその兵隊の不味さから最前線での餓死者が多く出た。

 

食料も弾もなしで精神力だけで戦うことは無理なのだ。

 

現代の自衛隊でも・・・・兵站軽視というか政治的なものか平時に必要のないものはいらないという利己主義での簡略化で結局有事になったらどうするの?対応できるの?無理だよな・・・・解っちゃいるけどさ・・・・ってことになっている・・・・。

 

戦車なんかその辺を語りだしたら止まらない・・・・。

 

いざという時になにも出来ない状態を常態化させているのに緊急時になんとかなることはにいのだから・・・。

 

 

兵站(Military Logistics)は、戦闘地帯から見て後方の軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもの。

 

戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動を指す用語でもあり、例えば兵站には物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれる。

 

兵站という漢語の字義は「軍の中継点」である。

 

 

 

世界中で広範に使用される英語表記のロジスティクス(logistics)は、ギリシア語で「計算を基礎にした活動」ないしは「計算の熟練者」を意味する「logistikos」、またはラテン語で「古代ローマ軍あるいは東ローマの行政官・管理者」を意味する「logisticus」に由来する。

 

類義語としては、戦闘支援(戦闘実施時に部隊の作戦行動を支援すること、英: Combat Support)、後方支援(作戦行動を行う部隊の軍事的な機能を保持させる、英: Combat Service Support)があり、これらに比べて兵站はより広い範囲を指示する概念である。

 

 

ジョミニは、戦争の理論を構成する三つの要素として戦略と戦術に並んで兵站を位置づけている。

 

また、米国海兵隊将校のソープ(G. C. Thorpe)は、戦争を演劇に例え、「役者が立つ舞台を準備することが兵站の役割である」と考察した。

 

ジョミニやソープの説明は、兵站が軍事理論において補助的な存在ではなく、むしろ主要な地位を占め、軍事作戦の遂行を基礎付けることを示唆している。

 

戦争のプロは兵站を語り、戦争の素人は戦略を語る」という格言はそのような兵站の重要性を端的に強調したものであると言える。

 

 

兵站研究の古典的名著に、ジョミニの『戦争概論』がある。

 

『戦争概論』では、兵站が果たして戦争術の重要な一部門であるのか、または幕僚業務を総括する慣習的な用語でしかないのかという問題について検討がなされた。

 

そして、兵站の本質的な要素が運動(Movement)であることを確認した上で、運動のひとつである行軍と行軍の経路となる後方連絡線の問題を通じ、兵站が戦略との関係を明らかにした。

 

 

クラウゼヴィッツは、軍事学の古典の白眉として知られる『戦争論』の中で、戦場の部隊の運動を妨げる諸要因を「摩擦」として概念化した。

 

ヒューストン(James. A. Huston)の『The sinews of war』は、第二次世界大戦における重要な戦略的決心(ディシジョン)の上で、兵站の制約が極めて重要であったことを明らかにした。

 

 

クレフェルトは、自著『補給戦』において、戦闘部隊と非戦闘部隊との比(teeth-to-tail)に着眼した。

 

戦闘部隊の比率が高さが戦闘効率と因果関係を持つとの従来の理論を否定し、適切な比率の導出が戦争の摩擦により困難であることを示した。

 

 

 

 

「必要なものを」「必要な時に」「必要な量を」「必要な場所に」補給することは、ロジスティクスの要諦であり、兵站任務を円滑に遂行する作戦地域と兵站基地との交通上のつながりを維持するために数理的、物性的、情報的な処理が求められる。

 

これが後方連絡線または背後連絡線(Line of communications, LOC)であり、これは、複数の兵站基地とそれらを相互に接続する道路、鉄道路、水路、海路、航空路で構成される。

 

 

 

後方連絡線の結節点となる兵站基地はその兵站機能から戦略的、作戦的、戦術的な兵站基地に区分される。

  • 戦略的には生産・交通の要所に平時から設置される戦略兵站基地
  • 作戦的には方面隊が作戦区域内に設置する方面兵站基地
  • 状況に応じて、戦術的に設置される方面前進兵站基地

また、別の分類としては兵站基地は兵站地区司令部や兵站衛生諸機関、その関連機関などが併設される兵站主地、通常は兵站地区司令部や出張所と併設される兵站地、前線の作戦部隊に対して最寄の兵站基地である兵站末地(terminal point of line of communications)と区分される場合もある。

 

 

補給(Supply)とは、部隊の物的な戦闘力を維持増進するために、作戦に必要な『物資』を必要な『時期』に必要な『場所』に充足させることである。

 

戦闘を遂行する上で求められる軍需品は量的に膨大であるだけでなく多種多様である。

 

しかも、補給所要(ニーズ)は日々の状況に応じて変化し、また、限りある補給能力を効率的に活用しなければならない。

 

これら一連の補給の問題に対処するために、兵站学では補給の計画的な管理と効率的な実行を追求する。

 

 

輸送(Transportation)とは、ある地点から別の地点へと何かを移動させることであり、すなわち、作戦上、必要な部隊や物資を適時適所に位置させることである。

 

輸送は兵站の基本的な機能の一つであり、迅速性と安全性を両立させ、限りある陸海空路の輸送手段を各種総合的に使用することが重要となる。

 

しかし、輸送を行う上では自然環境や敵による妨害、すなわち摩擦が障害となる。兵站学では、輸送は敵の攻撃や気象状況の変化などを予め想定し、計画に融通性を備え、障害に対する必要な警戒や防護を準備する。

 

 

整備(Maintainance)とは、部隊の戦闘力を維持するために、装備の性能を完全に発揮できる状態、もしくは使用可能な状態に回復させる活動である。

 

整備は、戦闘部隊自らが行う整備、整備部隊による整備、外注による整備があるが、いずれも作戦を遂行する上で必要な武器や兵器の可動率(Operational Availability)を最大化するために行われる。

 

 

 

必要とされている部隊に必要な物資を無駄なく供給するためには、合理的な情報管理が必要である。

 

交戦中においては敵の作戦行動による不確実性を考慮する必要があり、安定的な兵站線の確保は、より高度な課題となる。敵に知られていたり予測されている物流計画は格好の攻撃対象であるため、物流計画は重要な軍事機密であり、漏洩は防がなければならない。

 

備蓄管理は補給活動を効率的に行うために必須であり、21世紀現在の大規模な近代型軍隊ではITによるデジタル情報ネットワークによってできるだけ無駄を省いた補給を行っている。

 

軍事分野だけでなく企業活動においてもロジスティクスでの効率化の要は20世紀末の電子情報技術の利用であり、戦闘部隊の兵士や企業顧客が求めた物品がどこを輸送中であるかがいつでも明らとされ、無数の輸送コンテナの中身を調べなくとも電子コードによって瞬時に判明するようになっている。