空挺とは日本陸軍の造語である「空中挺進」または「空輸挺進」を略した「空挺」と称され、陸上自衛隊では「空挺」と言う語をそのまま用いている。
「挺進」を「挺身」と書く場合があるが、挺身には「身を捨てる」という意味があり、危険を顧みず自身の身を捨てて敵陣中に降下する姿を形容した語である。
旧軍や外国では落下傘部隊とも言われる。
空挺では、輸送機に兵員が分乗し、戦闘機や攻撃機、COIN機の護衛を受けながら戦線の後方へと侵攻し、パラシュート降下またはグライダーの強行着陸によって部隊を展開することができる。
ヘリコプターで展開地に降りるヘリボーンとは区別される。
地上に降りた後は通常の陸上部隊と同じように行動する。
敵陣地や障害となる地形の影響を受けずに高速で戦略機動し、戦闘展開が可能であるところに特徴がある。
第二次世界大戦中、輸送機の発達と共に大きく発展した。
第二次大戦のほか、朝鮮戦争や第一次インドシナ戦争、第二次中東戦争でも用いられた。
空挺降下では、先に地上に降りた降下誘導小隊が降下地点へ輸送機C-130(ハーキュリーズ)を誘導し、「コースよし、コースよし、ヨーイ、ヨーイ、ヨーイ、降下、降下、降下」の掛け声と共に、戦闘降下員の降下が始まる。
降下時の速度は時速210km/hで、高度は340m。降下員は1秒間隔で機外へと身を投げ、約4秒後にパラシュートが開くようになっている。
隊員は、約25kgのパラシュートをはじめ、装備品が詰まった背嚢30~40kgに、銃火器などを合わせた65~80kgの装備を身につけて降下する。
着地する際にそれらの装備をすべ身につけた状態だと、着地時の衝撃が地上2階から飛び降りたのと同じくらいあるため怪我をしてしまう。
そのため地上約50mで背嚢を切り離し、着地時は足を曲げて横に体を転がすことで、衝撃を逃がしている。