戦場のメリークリスマス | 戦車兵のブログ

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ついこの間「午前10時の映画祭」で観たばかりであった。



内容は大島渚監督作品らしく衝撃的で過激であった。



戦場のメリークリスマス』(英:題 Merry Christmas, Mr. Lawrence)は、大島渚が監督した映画作品である。



日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドの合作映画で、英国アカデミー賞作曲賞受賞した名曲である。


作曲はレバクセンバタ俘虜収容所所長のヨノイ大尉役で出演している

坂本龍一である。



原作は、ローレンス・ヴァン・デル・ポストの『影の獄にて』 に収録された2作品、「影さす牢格子」(1954年)と「種子と蒔く者」(1963年)に基づいている。 



作者自身のインドネシアのジャワ島での、日本軍俘虜収容所体験を描いたものである。



第36回カンヌ国際映画祭に出品され、グランプリ最有力と言われたが受賞は逃した。


ちなみにパルム・ドールは今村昌平監督の『楢山節考』であった。



1942年、日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所で、朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)がオランダの男性兵デ・ヨンを犯す。



日本語を解する俘虜(捕虜)の英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、ともに事件処理にあたった粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と奇妙な友情で結ばれていく。



一方、ハラの上司で所長の陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)は、日本軍の背後に空挺降下し、輸送隊を襲撃した末に俘虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)を預かることになり、その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられてゆく。




同時にカネモトとデ・ヨンの事件処理と俘虜たちの情報を巡り、プライドに拘る空軍大佐の俘虜長ヒックスリー(ジャック・トンプソン)と衝突する。東洋と西洋の宗教観、道徳観、組織論が違う中、各人に運命から届けられたクリスマスの贈りものが待っていた。



第二次世界大戦をテーマにした戦争映画でありながら、戦闘シーンは一切登場しない。



また、出演者はすべて男性という異色の映画でもある。撮影はクック諸島のラロトンガ島で行われた。



ハラ軍曹らに見られる当時の日本軍による捕虜に対する扱いや、イギリスなどにおける障害者への蔑視行為やパブリックスクール(寄宿制名門校)におけるしごきなど、歴史の闇の部分も容赦なく描いている。





当初、ハラ軍曹役には緒形拳や勝新太郎がキャスティングされていたが、緒形はスケジュールの都合、勝とは脚本の変更を要求したため折り合いがつかず、ビートたけしに変更となった。



ヨノイ大尉役も三浦友和、沖雅也、滝田栄、沢田研二、友川カズキらが予定されていたが、各々スケジュールなどが合わず、坂本がキャスティングされた。



また、セリアズ役にもロバート・レッドフォードや、映画監督フランシス・フォード・コッポラの甥で当時高校生だったニコラス・ケイジ等にオファーをしていたが、両者とも断ったため、セリアズ役はデヴィッド・ボウイが演じる事となった。



台本をまったく覚えずに現場入りした坂本は当然上手くセリフが言えず、絶対に監督から怒られるシチュエーションを自ら作ってしまったが、監督はなぜか相手役に「お前がちゃんとしないから坂本君がセリフ話せないんだろう!」と怒ったという。この監督の一種の配慮により、たけしと坂本は無事クランクアップを迎えることができた。



演技についてたけしは、「NGは監督からほとんど出されなかったけど、代わりにアフレコはさんざんやらされた」と語っている。



これは、監督からオファーを受けた際「自分は漫才師であり、俳優でありませんから、きちんとした演技はできません」と前もって伝えていたことから、監督なりの配慮がされた結果と言える。



加えてたけしがNGを出すと、代わりに脇にいた助監督が叱られたというエピソードが残っている。



当時、たけしと坂本は、2人で試写のフィルムを見て、たけしが「オレの演技もひどいけど、坂本の演技もひどいよなぁ」と語りあい、ついには2人でこっそりフィルムを盗んで焼こうという冗談を言い合ったという。



また監督の大島渚はできない俳優を激しく叱責することで有名だったため、たけしと坂本は「もし怒られたら一緒にやめよう」と約束をしていた。