卍(まんじ)とは、日本では仏教を象徴する記号としてよく知られ、漢字であり家紋でもある。
米カリフォルニア州にある靴メーカー「コナル・インターナショナル・トレーディング・カンパニー」が製造・販売したミリタリー・コンバット・ブーツに対し、ネット上で非難が相次いだため、この会社が謝罪に追い込まれ、当該ブーツが店頭などから一斉に回収される騒ぎが起きた。
あの国で製造…陰謀説も
欠陥商品が店頭などから回収される例はどこの国でも特段珍しい出来事ではないが、このブーツの場合、製造・販売したコナル側が想像も付かない理由で“欠陥商品”と認定されてしまったのだった。
その理由とはブーツの靴底の裏側。
このブーツを履いて歩くと足形がナチス・ドイツのかぎ十字を思わせるスワスチカだらけになるのだ。
1月13日付の英BBCニュースや翌14日付の英紙デーリー・テレグラフ(いずれも電子版)などによると、このブーツ、商品名は「ポーラー・フォックス・ブーツ」と言うのだが、この靴底に関し、とあるユーザーが交流サイトのレディットに投稿。
これを200万人以上が読むなど、ネット上で爆発的に拡散した。
とあるレディットの書き込みは「ブーツの底の裏面はそれほどでもないが、足形は間違いなく、かぎ十字だ。そしてこの裏側を作った人は、分かっていてやったと思う」と指摘するなど、ミリタリー・ブーツだけに多くの人が確信犯と考えたようだ。
しかし製造・販売した2002年創業のコナル側はこうした見方を否定。
実際に製造した中国の業者も「意図的ではなく、明らかなミス」と平謝り。会社側も「(国家や民族間の)憎しみを生み出すようなデザインを作り出すはずがない」との声明とともに謝罪し、商品を店頭などから回収。アマゾンでの通販も止めた。
ちなみに、回収前のアマゾンのレビューでは“highly recommended(超おすすめ)”をもじり“heily recommended(ハイル・ヒトラーと敬礼したいほどおすすめ)”といった書き込みや「ポーランドに進軍するときに履く以外、あまり使い道はなさそうだな」といった面白半分のユーザーレビューであふれたという。
とはいえ、確信犯の疑いが消えたわけではないらしい。
1月12日付の独週刊誌シュテルン(電子版)は、このブーツの商品名「ポーラー・フォックス」とが第二次世界大戦中、ドイツとフィンランドがソ連に対して行った軍事作戦名と同じであると指摘。
さらに、ネオナチ思想の人々の間で人気のサイト「デイリー・ストーマー」が「(われわれが)所有すべき商品」と推奨していたことも分かっている。真相は謎だ。
(産経ニュース)
卍には左卍と右卍(卐)があり、日本では主に左卍が使われています。
すでに奈良時代には日本に伝わって、寺社や家紋だけではなく、織物の模様のデザインにも使用されてきた。
ナチスのハーケンクロイツも、古代からある幸運のマークをナチス党のシンボルマークとして採用したものなのだが・・・。
左卍と右卍(卐)があり、現代の日本では左卍が多く用いられている。漢字では卐は卍の異体字である。
かつては洋の東西を問わず幸運のシンボルとして用いられていた。
日本、中国等の芸術において卍はしばしば繰り返すパターンの一部として見られる。
日本では、寺院の象徴として地図記号にも使用され、家紋の図案にも取り入れられている。
まれに手裏剣が似ているため忍者を表す場合にも使われる。
日本では、奈良時代の薬師寺本尊である中尊の薬師如来の掌と足の裏に描かれたものが現存最古の例とされる。
卍紋、万字紋(まんじもん)は、仏教の吉祥を表す紋として用いられる。
形状から日本のキリシタンが十字架の代わりともした。
国々で卍は意味合いも歴史も違ってくる。
同一の価値観を強制されるのは迷惑だが、不愉快に思う人達がいることも知っておきたいものだ。