装甲とは、兵器のような機械や生物等を、過酷な環境で他の物体との衝突や熱などから護るために取り付ける板状の部品、または、それらを取り付ける事を指すそうだ。
しばらくは「装甲」について学びたいと思う。
装甲の基礎的なことくらい知っておいた方が戦車や軍事を学ぶ時に役に立つだろうから。
装甲は、兵器に限らず、苛酷な環境下で運用される建築機械や探査装置のような機械類でも内部を保護する装甲を備え、甲羅や貝殻といった生き物でも同様である。
しかし、ここでは兵器に使用される装甲について紹介します。
イギリス英語: Armour、アメリカ英語: Armor、ドイツ語: Panzerungと表記される。
ドイツ語: Panzerは、現代では完全に戦車を意味する単語となっている。
兵器は常に相手の兵器によって破壊される危険があり、破壊されずに機能する事が要求される。
相手の攻撃から防護するために多くの兵器が装甲を備えており、兵器の歴史は「矛と盾」で象徴されるように盾となる装甲の歴史である。
古来より戦時下において装甲の必要性が求められ、常に最前線で様々な攻撃から身を守る盾や鎧、兜等の防具が必要とされた。
しかし強固なこれらの防具は必然的に重くなり、次第に行動力と防護力の兼ね合いが求められるようになってきた。
そこで「必要な部分だけを重い防具で守り、あまり攻撃を受けない股下等は装甲を薄くする」ことや「梁状の構造物や波板・曲面による力学的に力が分散しやすい構造」が研究・採用された。
また受ける攻撃の種類を想定して、馬上槍試合用の、落馬すると自分では動けず馬上には数名の従者が押し上げる事になるが、正面打撃だけを受け流すように設計されたプレートアーマーで背面装甲は薄いものや、ナイフや軽い剣の切っ先だけを受け止める事を目的にしたリングメイル等も生まれた。
近代の戦闘でも兵器の攻撃能力が増すにつれて装甲による防護能力の必要性は増しており、兵器には常に互いを凌駕すべく競い合う「矛と盾」のジレンマが存在している。
なお人間の持つ最新型の装甲として特に有名なものが防弾チョッキのリキッドアーマーである。
現在下記の通りこの原理を応用した陸海空の機械兵装用の装甲は存在していない。
最も基本的な装甲の形状は、板状の装甲材で保護対象を覆うことである。特に移動能力を備えた装甲戦闘車両や戦闘艦、軍用航空機では、防護性能を高めるために単純に装甲を厚くすれば装甲の重量によって運動性が損なわれるため、限られた重量内で最大の防護能力が求められる。
21世紀現在の兵器の装甲は、出来るだけ重量増加を伴わない防護力の強化策などが講じられている。
近代兵器では装甲の防護性能が向上したため、攻撃兵器も装甲板の広い面全体を破壊するよりごく狭い範囲にエネルギーを集中することで穿孔し、装甲板を貫いて内部に被害を与えることを目指すものが現れている。
この裏面まで貫かれる事を「貫徹」と呼ぶ。
徹甲弾はこの貫徹効果を最大に求めた弾頭の事であるので後述の通りこの被害を防ぐ為の研究も進んでいる。
21世紀現在の兵器の装甲は、加害主体となる敵弾の運動特性・物性や、防護部位ごとの被弾頻度や脅威度の期待値、さらに利用可能な装甲技術での重量、製造コスト、加工容易性、性能の確実性、保守容易性、環境耐性と低劣化性、材料入手性、安全性などを総合的に考慮して選択される。
鋼は代表的な装甲の材料であるが、一般に炭素を豊富に含んだ鋼鉄は硬いが脆くなる。炭素を少なくすれば柔らかくなり硬度は失われるが粘り強くなる。
また、炭素以外にも多くの元素を鉄に添加することで多様な合金が作られている。
敵弾の運動特性と物性として考慮すべき最も顕著なものが、20世紀末に登場したAPFSDS弾やHEAT弾のような弾種の能力と侵徹原理である。
超高速で装甲に衝突した金属製の長い弾芯が超高圧下で装甲と共に流体化し孔外に流出しながら細い孔を穿ってゆく過程を分析した上で、それを無効化する技術がいくつか開発され装甲に使用されている。
直接の防護性能には無関係であるが、多くの場合装甲によって左右される兵器の外形がステルス性能に大きく影響するため、防護性能や運動性能と共に装甲の形状も装甲設計での重要な要素の1つとなっている。
しばらくは装甲について書きます。
一緒に学んでゆきましょう。