桜林さんは「東日本大震災と自衛隊」と言うテーマで隊員たちの活動にスポットを当てた連載をしておられます。、私が最も心を打たれた部分を紹介させて頂きます。
以下(誰かのために)より抜粋
『(中略)被災地での救援でも厳しい状況は同様だ。氷点下の気温の中で作業を続けるが、燃料を使うわけにはいかないと、暖をとることも無い。持っていた隊員用の携帯糧食を迷うことなく被災者に渡す隊員ばかりだという。
空腹の中で作業を終え、ドロドロになった戦闘服を脱ぎ、翌日、またその同じ服を着て出て行く。それは「昨日の記憶を背負いながら行く」ことでもある。
目をつむると、目の当たりにした遺体の残像が浮かんでくる。それは阪神・淡路大震災のときも同じだった。
当時若かった隊員が、現在は曹長などリーダー担っており、その経験からか、誰が命令したわけでもなく、夜は5~6人の作業部隊が車座になるのだという。
つらかった光景、ひどく悲しかったことなど。黙々と作業をし続けたその日の全てのことを声を出して吐き出し、そして泣く。
やがて明日も任務を精いっぱいやろうと誓い合って1日を終えるのである…』 (誰かのために)
隊員たちの中にも家族を失い被災しているものがいるのだそうです。逆境にめげることなく黙々と現地で活動に当たる隊員たちのことがこのような地道な取材記事を通じて少しでも国民の目に耳に届くことは良いことだと思います。
自衛官は決して被災地では被災者以上の環境には無い、報道されない真実がそこにあるのです。